
嘔吐は、原因によって合う漢方が大きく異なります。 当院では、西洋薬(プリンペラン・ナウゼリン・ガスモチン等)に加えて、 症状の背景に応じて漢方を併用することがあります。
1. 消化管性(胃炎・胃腸炎・胃もたれ・胃排出遅延)
六君子湯(りっくんしとう)
- ・胃の動きが弱い
- ・食後の膨満感・胃もたれ
- ・機能性ディスペプシア(FD)で最も使いやすい
- ・ガスモチン・イトプリドとの併用が一般的
半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
- ・胃腸炎の嘔吐
- ・みぞおちのつかえ
- ・下痢+嘔吐のときに使いやすい
平胃散(へいいさん)
- ・食べ過ぎ・脂っこいもの
- ・胃の停滞感が強いとき
2. 中枢性(片頭痛・脳圧亢進に伴う嘔吐)
呉茱萸湯(ごしゅゆとう)
- ・片頭痛+嘔吐
- ・冷え性で頭痛が強いタイプ
- ・プリンペランと併用されることが多い
3. 前庭性(めまい・乗り物酔い)
苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
- ・ふらつき・めまい
- ・立ちくらみ+嘔気
- ・水分代謝の乱れが背景にあるタイプ
五苓散(ごれいさん)
- ・水分過剰(むくみ・めまい)
- ・乗り物酔いの嘔吐にも使われる
4. 薬剤性(抗生剤・GLP-1・その他)
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
- ・咽頭部のつかえ感
- ・不安・緊張で悪化する嘔気
- ・「吐きそうで吐けない」タイプ
六君子湯
-
・胃の停滞が背景にある薬剤性の嘔気
5. 妊娠悪阻(つわり)
小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう)
- ・妊娠悪阻の代表的漢方
- ・吐き気・嘔吐が強い
- ・水分停滞が背景にあるタイプ
安中散(あんちゅうさん)
- ・胃痛+嘔気
- ・胃が弱い妊婦さんに使われることがある
6. 自律神経性・ストレス性(不安・緊張・過換気)
半夏厚朴湯
- ・咽頭部のつかえ
- ・ストレスで悪化する嘔気
- ・「吐き気がするけど食べられる」タイプ
柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)
- ・ストレス・自律神経の乱れ
- ・胃の停滞+軽い嘔気
まとめ
- ・消化管性:六君子湯・半夏瀉心湯・平胃散
- ・片頭痛:呉茱萸湯
- ・前庭性(めまい):苓桂朮甘湯・五苓散
- ・薬剤性:半夏厚朴湯・六君子湯
- ・妊娠悪阻:小半夏加茯苓湯・安中散
- ・自律神経性:半夏厚朴湯・柴胡桂枝湯




