糖尿病内科|神戸市兵庫区|湊川ファミリークリニック|湊川駅徒歩5分の内科・糖尿病内科・消化器内科

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糖尿病内科

糖尿病内科|神戸市兵庫区|湊川ファミリークリニック|湊川駅徒歩5分の内科・糖尿病内科・消化器内科

糖尿病について

糖尿病について

糖尿病とは膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが、十分に働かないために血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が高くなる病気です。1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病、その他特定の機序・疾患によるもの4つのタイプに分類されています。圧倒的に多いのは、生活習慣病の一つとされているのが2型糖尿病です。1型糖尿病と2型糖尿病の違いは下の表をご参照してください。

1型糖尿病 2型糖尿病
患者様の割合 5%以下 90%以上
発症年齢

若年者(25歳以下)が多い
(ただし何歳でも発症する)

中年以降が多い
原因 ウイルス感染などにより、膵臓でインスリンを作るβ細胞という細胞が壊れてしまうため、インスリンの量が少ない 遺伝、加齢、食べ過ぎ、運動不足、肥満、ストレスなどでインスリンが効きにくい
体型 やせ型が多い 肥満型が多い
発症様式 急激に症状が現れる時が多い。
(ただし緩徐進行型もある)
気が付かないうちにゆっくり進行する。
症状 のどの渇き、多飲、多尿、体重減少など。(ただし時に吐き気、腹痛で発症するときもある)

無症状のことが多い。       

コントロール不良の時は1型糖尿病と同じ症状が現れる。

治療法

食事療法は基本。               

ほとんどはインスリン注射が不可欠。

食事療法と運動療法が基本。
飲み薬は必要な場合が多い。  

時にはインスリン注射も必要。

糖尿病の主な症状

糖尿病の症状は人によって様々です。無症状であることが多いが、300mg/dL以上の著明な高血糖が持続すると、口渇・多飲・多尿・倦怠感・体重減少などの症状が出現します。女性では尿路感染症や膣炎を発症するときもあります。
合併症を起こすと、視力低下、下肢疼痛、呼吸苦、胸痛、下肢浮腫などの全身の症状が出現します。ひどい場合は失明、人工透析、下肢切断など日常生活にきわめて大きな支障をきたします。
家族や血縁者に糖尿病の人がいて自分も心配する方、気になる症状がある方や、健康診断などで高血糖や尿糖を指摘された方は早めの受診をお勧めします。

糖尿病の診断

糖尿病の診断のために、まず初めに「血糖値」と「HbA1c」を測定します。血糖値は空腹時血糖値、随時血糖値、食後2時間血糖値、75g経口ブドウ糖負荷試験(75 g OGTT)2時間値などがあります。

  • 空腹血糖値:8~10時間以上食事をとらない状態で測定した血糖値
  • 随時血糖値:食事と採血時間との時間関係を問わないで測定した血糖値(糖負荷後の血糖値は除く)
  • 食後2時間血糖値:食事をしてから2時間後に測った血糖値
  • 75g 経口ブドウ糖負荷試験(75g OGTT)2時間値:75 gのブドウ糖水などを飲み、その2時間後に採血したときの血糖値
  • ヘモグロビンA1c(HbA1c):過去1~2か月間の血糖の状態を示す値
  • 血糖値やHbA1cの測定値により、「正常型」「正常高値」、「境界型」、「糖尿病型」の4つのグループに分けることができます。
正常型 正常高値 境界型 糖尿病型
空腹血糖値 100未満 100~109 110~125 126以上
随時血糖値 140未満 140~199 200以上
75g OGTT 2時間値 120未満 120~139 140~199 200以上
HbA1c 5.9%未満 6.0~6.4 % 6.5 %以上

糖尿病の診断基準は以下になります。

① 早朝空腹時の血糖値が126mg/dL以上

 75g OGTT 2時間値が200mg/dL以上

 随時血糖値が200mg/dL以上

 HbA1cの値が6.5%以上

臨床診断基準(糖尿病治療ガイド2022~2023)

  1. 初回検査で、上記の①~④のいずれかを認めた場合は、「糖尿病型」と判定する。別の日に再検査を行い、再び「糖尿病型」が確認されれば糖尿病と診断する。但し、HbA1c のみの反復検査による診断は不可とする。
  2. 血糖値と HbA1c が同一採血で糖尿病型を示すこと(①~③のいずれかと④)が確認されれば、初回検査だけでも糖尿病と診断する。HbA1c を利用する場合には、血糖値が糖尿病型を示すこと(①~③のいずれか)が糖尿病の診断に必須である。糖尿病が疑われる場合には、血糖値による検査と同時に HbA1c を測定することを原則とする。
  3. 血糖値が糖尿病型(①~③のいずれか)を示し、かつ次のいずれかの条件がみたされた場合は、初回検査だけでも糖尿病と診断できる。
    ・糖尿病の典型的症状(口渇、多飲、多尿、体重減少)の存在
    ・確実な糖尿病網膜症の存在
  4. 過去において上記 (1)ないし(2)の条件がみたされていたことが確認できる場合は、現在の検査結果にかかわらず、糖尿病と診断するか、糖尿病の疑いをもって対応する。
  5. 診断が確定しない場合には、患者を追跡し、時期をおいて再検査する。
  6. 糖尿病の臨床診断に際しては、糖尿病の有無のみならず、成因分類、代謝異常の程度、合併症などについても把握するよう努める。

糖尿病の合併症

高血糖が持続すると血管(細小血管も大血管も)が障害され、身体の様々な臓器に影響を与えます。細小血管が集中する網膜、腎臓、手足に障害が現れてきます。これが三大合併症(細小血管障害)といわれる「糖尿病網膜症」「糖尿病腎症」「糖尿病神経障害」です。さらに放置してしまうと、失明、透析、手足の壊疽(えそ)などを引き起こす可能性もあります

また、高血糖の状態は太い血管にも影響を与え、動脈硬化を引き起こし、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、末梢動脈疾患などを引き起こし、時に命にかかわる重篤な状態に陥いてしまうこともあります。これらの合併症は糖尿病と診断されたときから進行し、5~10年くらいで出現すると考えられています。そのため、無症状の糖尿病は、きちんと早期から治療を受け、合併症を予防していくことが重要です。
当院では糖尿病専門医の院長先生が血糖コントロール不良の患者様や合併症を持った患者にみずから丁寧に療養指導、栄養指導、心理サポートを行っています。

糖尿病の三大合併症

糖尿病網膜症

初期から自覚症状なく進行します。網膜の毛細血管が傷つき視力低下や出血を起こし、最終的に失明に至ることもあります。糖尿病網膜症は日本人の失明原因の第2位です。糖尿病と診断されたら、自覚症状がなくても定期的に「眼底検査」を受け、良好な血糖コントロールを継続的に行っていくことが大切です。

糖尿病腎症

腎臓には糸球体という毛細血管のかたまりがあり、血液をろ過しています。高血糖の状態になると、この糸球体が傷つきやすくなり、放置することで徐々に腎臓が傷つけられ、尿たんぱく質が出て腎機能は低下していきます。最終的には腎不全となり、人工透析が必要な状態に至ってしまいます。日本の人工透析の原因は、糖尿病腎症が最も多く、現在も増加し続けています。継続的な血糖コントロールと定期的な尿検査を行っていくことが大切です。

糖尿病神経障害

糖尿病は末梢神経にもダメージを与えます。症状としては、手足がしびれたり、悪化すると痛みの感覚が鈍くなったりします(けがや火傷の痛みに気づかないなど)。とくに足は症状が悪化すると壊疽に至りやすく、場合によっては足の切断を余儀なくされる場合もあります。自覚症状があるので、早めに医師に相談しましょう。

その他の合併症

脳梗塞、心筋梗塞、脳卒中、皮膚異常、感染症、閉塞性動脈硬化症、歯周病なども合併症として挙げられます。

糖尿病の治療

1型糖尿病ではインスリンの必要量が不足しているため、インスリン注射によって補う治療が中心となります。2型糖尿病では、食事療法、運動療法、薬物療法の三つが柱となります。

食事療法

糖尿病において食事療法は治療の根幹となります。毎日のちょっとした下記のような心がけが大切です。

  1. 適正なエネルギー量を守り、腹八分目でストップしておく。
  2. 栄養バランスのよい食事を心がけ、食品の種類はできるだけ多くする。
  3. 脂質は控えめに。
  4. 食物繊維を多く含む食品(野菜、海藻、きのこなど)を摂る。
  5. 朝食、昼食、夕食を規則正しく。夜遅く、寝る前には食べない。
  6. ゆっくりよく噛んで食べる。
  7. 単純糖質を多く含む食品(砂糖、清涼飲料水、ジュースやお菓子)の間食を避ける。

運動療法

運動で体内に余分に溜まったエネルギーを消費することで血糖値が下がります。また、インスリン感受性が高まり、血糖コントロールがしやすくなります。

  1. 運動の強さ(強度)
    ・ややきついと感じる程度が良い。
    ・脈拍数(1分間に何回心臓が拍動するか)は、運動の強度の目安になります。(220-年齢)×0.5=運動の時に目安にする脈拍数(回/分)
    ・糖尿病の神経障害がある、高齢者、循環器系のご病気のある方は、脈拍数をもとに運動強度を決定できないことがあります。その場合は、担当医へ相談しましょう。
  2. 運動の頻度
    ・少なくとも週3日、できれば毎日やりましょう。
    ・1回につき20から60分、1週間に150分以上行うことが推奨されています。
  3. 運動の時間帯
    ・1日の間で、いつ行っても構いません。
    ・食後に血糖値が高くなるような方は、食後1~2時間頃に運動を行うとよいでしょう。
    ・1型糖尿病の方、血糖値を下げる薬を使っている方は、低血糖になりやすい時間帯をさけましょう。
  4. 便利なグッズ
    ・歩数計は、日常生活の運動量の目安となります。
    ・脈拍数や運動強度、エネルギー消費量などをモニタリングすることができるスマートフォンのアプリケーションもあります。

糖尿病の薬物療法

2〜3か月ほど食事療法と運動療法を続けても、血糖のコントロールが上手くできない場合には薬物療法を検討します。経口血糖降下薬を用いる内服療法と、インスリンなどを注射で補充する自己注射療法の二つがあります。

経口血糖降下薬の種類

分類 効果
インスリンを出しやすくする薬 ンスリン分泌低下を補う
インスリンを効きやすくする薬 インスリン抵抗性を改善する薬
糖の吸収を調節する薬 食後の血糖の急な上昇を抑える薬
糖の排泄を促進する薬 糖を尿中に出させる薬
配合薬 異なる作用をもつ複数の薬を合わせた薬

注射薬の種類

種類 注射回数
GLP-1受容体作動薬 ビクトーザ 1日1回製剤
オゼンピック 週1日製剤
マンジャロ 週1日製剤
インスリン 超速効型 1日1-3回
即効型 1日1-3回
中間型 1日1-2回
持効型 1日1回
混合型 1日1-2回
配合溶解 1日1-2回

注射薬には、大きく分類してとGLP-1受容体作動薬とインスリン製剤の2種類があります。GLP-1受容体作動薬はからだからインスリンを出しやすくする作用があるのに対し、インスリン製剤はインスリンそのものを補充します。

近年、糖尿病治療薬は大きく進歩しており、SGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬などが登場しています。これらの薬は低血糖を起こしにくく、体重を減らす作用を持つものもあります。どの薬物をいつから開始するかは、患者様の糖尿病のタイプ、BMI、血糖コントロール状況、肝機能、腎機能や合併症の進行程度などによって、総合的に判断して決められます。

糖尿病療養指導

糖尿病の治療には患者様の自己管理がとても大切です。当院では糖尿病とその療養指導に関して幅広い専門知識をもって、患者様が適切な自己管理が行えるように援助します。

主な療養指導の内容

・糖尿病について(病気と検査内容の説明など)
・糖尿病の治療について(食事療法、運動療法、薬の飲み方など)
・インスリン自己注射を始められる方への留意点
・血糖自己測定について
・低血糖・シックデイ・フットケアについて
・糖尿病と口の中の健康について
・日常生活の注意点

糖尿病栄養指導

ご自身の生活スタイルに合った食事療法を続けていくためには、栄養士による「栄養指導」を活用することも有効です。

食事療法が身に付いてうまく血糖をコントロールできている方も多くいらっしゃる一方、懸命に食事療法に取り組んでいても、思ったように効果が出ない、何をどう改善すれば良いのかよく分からない、と感じている方もおられます。こうした食事療法の問題点を栄養士とともに解決していくのが栄養指導です。医師の指示のもと、糖尿病や脂質異常症など食生活の改善が必要と判断された方に対して、栄養士による栄養指導を行っております。

糖尿病教室

糖尿病は日常生活に密着した病気であり、医師に薬を出してもらうだけが治療ではなく、食事や運動などの生活習慣が治療の基本となります。
糖尿病や合併症の予防・治療には、患者様やご家族に糖尿病について知っていただき、前向きに取り組んでいただくことがとても大切です。また、患者様同士と病院スタッフの交流の中から生まれる情報交換が大切です。

当院では色々なテーマで、医師、看護師、栄養士による糖尿病教室の開催(第2,4土曜日の13:30~14:00)を予定しています。ぜひ教室に参加して糖尿病について学び、日常生活を見直してみましょう。また「糖尿病友の会」も作る予定です。参加をご希望の方は気軽に問い合わせしてください。

 

患者様向け糖尿病資料のリンク集

わかりやすい糖尿病資料

国立国際医療研究センターの糖尿病情報センターのホームページに一般の方への糖尿病の知識(予備軍、診断、検査、治療、食事療法、献立、運動療法、薬物治療、低血糖、シックデイなど)は満載しております。
詳しくはこちらから

糖尿病予測ツール

国立国際医療研究センターは、職域コホート(J-ECOHスタディ)の健康診断データをもとに、機械学習によって糖尿病の発症リスク予測モデルを構築し、当該モデルに基づき、入力された条件と同等の方が3年以内に糖尿病を発症する確率を表示するシステムを、株式会社教育ソフトウェアと共同開発しました。
糖尿病と診断されたことがない 3064歳の方を対象としています。各項目のデータを入力してから3年以内に糖尿病を発症するリスクが予測されます。
詳しくはこちらから

大阪がん循環器病予防センターでは、「特定健診」の結果を用いて、18歳から59歳までの方を対象とし、10以内糖尿病の発症確率が予測されます。
詳しくはこちらから

糖尿病治療をイメージしやすいように糖尿病治療のエピソードの紹介サイト 

事例1. 糖尿病足病変に気づき、治療に取り組めた2型糖尿病の60代男性のAさん
事例2. インスリンポンプを導入して血糖コントロールが安定した1型糖尿病の30代女性のBさん
事例3. フットケアを通して介護サービスを利用し、うまく糖尿病と付き合っている2型糖尿病の70代男性のCさん
事例4. 無自覚性低血糖を起こしていた高齢・一人暮らしの2型糖尿病の80代男性のDさん
事例5. インスリンポンプの刺入部を同じところを使い続けたことでインスリンの効き目が悪くなっていた1型糖尿病の50代男性のEさん
事例6. 認知症が進行し、本人・家族ともにインスリン治療ができなくなってしまった2型糖尿病の70代女性のFさん

糖尿病の治療を放置しない働き盛り世代 患者のためのパンフレット

 厚生労働省は、糖尿病の治療を放置した人や、治療を継続した患者の体験談を通じて、糖尿病の治療に対する理解を促すパンフレットを作成した。パンフレットは「患者が患者のために」という新たな視点で作成されています。治療の失敗例や成功例として、病歴の長い患者10名の体験談を収載し、糖尿病の治療を続ける大切さを訴えている。「食事療法、インスリン投与といった治療は決して楽ではなかったが、必要なことと前向きに受け入れた」、「食事療法はつらく、運動療法も面倒で続かないもの。でも糖尿病との上手な付き合い方をみつけ、治療を明るく楽しみながら続けてきた」といったコメントが紹介されている。

糖尿病と診断された人が、治療への向き合い方によって変わる自分の未来を想像できるように、糖尿病と診断された患者が実際にたどってきた道のりをフローチャートで示した。詳細は下記のリンクを押してください。

糖尿病の治療を放置した働き盛りの今
糖尿病の治療を放置した働き盛りの今

多国語 糖尿病資料

国立国際医療研究センターの糖尿病情報センターのホームページに糖尿病について、病気、食事・運動、治療に関わることをパンフレットにまとめています。