CA19-9とは
carbohydrate antigen(糖鎖抗原)19-9の略称です。すい管、胆管、胆嚢、胃、大腸の消化器や、子宮内膜、唾液腺、気管支腺、前立腺などの細胞で微量に作られていますが、細胞ががん化すると大量に作られるようになります。大量に作られると血液中の濃度が高くなることから、血液中の濃度を調べることで、がんの有無を確認できる場合があります。
CA19-9上昇の分類
上昇度合 |
検査値 |
正常範囲 |
37以下 |
軽度上昇 |
37から50 |
中等度上昇 |
50から100 |
高度上昇 |
100以上 |
CA19-9上昇がみられる疾患
悪性疾患(がん)
- 膵がん、胆管がん、胆嚢がん
- 他の消化器癌:胃がん、大腸がん、肝臓がん
- 婦人科腫瘍:卵巣がん、子宮がん
- 乳がん、肺がん
良性疾患
- すい臓疾患:膵炎、膵嚢胞、慢性膵炎、膵管閉塞、粘液産生性膵腫瘍
- 肝胆疾患:肝炎、肝硬変、原発性胆汁性肝硬変、胆石症、胆管炎、閉塞性黄疸
- 婦人科疾患:卵巣嚢腫、子宮筋腫、子宮内膜症
- 呼吸器疾患:肺結核、気管支拡張症、気管支嚢胞
- その他:糖尿病、妊産婦
検査の意義
CA19-9検査は、がんの可能性を示唆する検査であり、確定診断のための検査ではないことを理解する必要があります。 CA19-9検査の意義は、以下の3点にあります。
- 早期発見:早期のがんはCA19-9が陰性であることもありますが、進行とともに陽性率が高くなります。定期的なCA19-9検査を受けることで、早期発見に繋
- 治療経過のモニタリング:治療中にCA19-9の値が低下すれば、治療効果があることを示唆します。逆に、上昇すれば、治療がうまくいっていない可能性があります。
- 再発の早期発見:治療後にCA19-9の値が上昇すれば、がんの再発を早期に発見することができます。 CA19-9検査は、がんの早期発見や治療に役立つ可能性を秘めた重要な検査ですが、万能な検査ではありません。
上記のように癌以外にも、多くの良性疾患でもCA19-9の数値が高くなることがあります。高値だからといって、必ずしも膵臓癌、胆嚢癌、胆管癌などの癌だけが原因というわけではありません。軽度上昇を認める場合は3か月後び採血フォローをお勧めします。中・高等度上昇を認める場合、医療機関を受診し、血液検査以外に、必要であれば超音波検査、胃、大腸内視鏡、CT、MRI等や、婦人科疾患が疑われる場合は内診も含めて精査が必要になります。検査結果は、医師の診察や他の検査結果と合わせて総合的に判断しましょう。