ABC検診とは
ABC検診は、胃の粘膜に生息するピロリ菌の感染の有無と、胃粘膜の萎縮度(ペプシノーゲン判定)を血液検査で調べ、一生の間に胃がんなどの胃疾患に罹るリスクを判定する検査です。
A~E群(下の表)に判定されたリスクに応じて、内視鏡(胃カメラ)による精密検査をおこない、ピロリ菌の除菌治療や定期的な受診を行うことによって、胃がんなどの予防・早期発見・早期治療に繋げます。
判定区分
判定区分 | ヘリコバクターピロリ菌の感染有無 | ||
---|---|---|---|
(-) | (+) | ||
ペプシノーゲン法 (萎縮度) |
(-) | A群 | B群 |
(1+~3+) | D群 | C群 |
区分 | 判定説明 |
---|---|
A群 | ピロリ菌感染・胃粘膜萎縮はいずれも否定的で、胃がんになる危険性が比較的低いと考えられています。 |
B群 |
ピロリ菌に感染している疑いがあります。 胃粘膜の萎縮は軽度ですが、胃潰瘍・胃がんになる危険性を否定できないので、ピロリ菌を除菌し定期的に内視鏡検査を実施することが望ましいです。 |
C群 |
ピロリ菌感染および萎縮性胃炎があります。 胃がんになる危険性があるので、ピロリ菌を除菌し定期的に内視鏡検査を実施することが望ましいです。 |
D群 |
高度の胃粘膜萎縮がありピロリ菌が住めない状態です。胃がんになる危険性が相当に高いので、 年1回以上、内視鏡検査を行い注意深く経過を観察する必要があります。 |
E群 |
ピロリ菌を除菌(Eradication)して除菌が成功した状態です。ABC検診では判定が不能となります。 E群では、定期的に1~2年に1回は内視鏡検査を受けるようにした方がよいでしょう。 |
メリット
血液検査で判定できるため、検査を受ける方の負担が少なく、ピロリ菌に感染していた場合、除菌することにより胃がんの発生を抑制することもできます。
デメリット
低リスクと判定されても下記の理由により、完全に胃がんのリスクがなくなるわけではありません。
- ・食道、胃、十二指腸の疾患が強く疑われるような自覚症状がある方
- ・胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎など治療中の方
- ・胃酸を抑える薬を服用中の方
- ・胃を切除した方
- ・慢性腎不全の方(目安:クレアチニン値3mg/dl以上)
- ・ピロリ菌の除菌療法をした方
- ・胃がんそのものを見つける検査ではありません。