狂犬病とは
狂犬病は、狂犬病ウイルスに感染することで起こる病気です。狂犬病ウイルスに感染した動物に咬まれたり、感染した動物の唾液とヒトの傷口が接触したりすることで人が感染します。犬に咬まれて発症する症例がほとんどですが、狂犬病ウイルスは犬以外の動物からも確認されています。
症状
感染から発症までの潜伏期間は咬まれた部位等によってさまざまであるが、一般的には1〜2カ月です。
初期症状としては、咬まれた部位の局所症状としては、痛み、しびれ、感覚麻痺のようなピリピリした感覚異常などが挙げられます。全身症状として感冒様症状が見られます。
狂犬病ウイルスが創部から移動して中枢神経系に侵入すると、興奮、意識障害、錯乱、幻覚などの神経症状が起こります。また、狂犬病で生じうる特徴的な症状には、恐水症があります。これは咽頭部筋肉の反射性けいれんにより、水を飲もうとしても飲めない症状です。最終的には昏睡状態から呼吸停止で死にいたる。狂犬病は一度発症すれば、致死 率はほぼ100%です。
予防法
感染の予防のためには、渡航前に事前に予防接種を受けておくことが最も重要です。また現地では動物に噛まれないように注意しましょう。狂犬病が疑われる野生動物に噛まれたり、引っ掻かれたりした場合、直ちに傷口を石鹸と水でよく洗い流し、すぐに医療機関を受診し、狂犬病ワクチンと抗狂犬病ガンマグロブリンを投与して、狂犬病の発症の防止を試みます。
狂犬病ワクチン
世界には多くの種類の狂犬病ワクチンが存在します。海外で接種する場合にはワクチン名も確認しましょう。当院では現在、 ラビピュール のみ取り扱っています。
ワクチン | 不活化ワクチン ラビピュール®筋注 |
接種回数 | *「曝露」とは「受傷」のことです 曝露前(事前予防)のため:3回 曝露後(発症阻止)のため:4回〜6回 |
接種量 | 1.0mL |
接種間隔 |
曝露前:3回接種 0、7、21日又は0、7、28日 4回接種 0(2箇所に1回ずつ、計2回)、7、21日 5回接種 0、3、7、14、28日 6回接種 0、3、7、14、30、90日 |
接種時期 |
渡航6週間前に3回接種が推奨されています。 |
効果持続期間 | 3回接種で2年、1年後に4回目の接種を追加することで5年 |
※他のワクチンと同時に接種可能です。(ご希望の方はスタッフにお申し付けください)
関連情報
厚生労働省【感染症情報 > 狂犬病 > 狂犬病に関するQ&Aについて】
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/07.html