髄膜炎菌髄膜炎
髄膜炎菌髄膜炎とは
髄膜炎菌は髄膜炎の流行を起こす唯一の細菌で、化膿性髄膜炎を起こします。髄膜炎菌髄膜炎は年間30万人の発症者に対して3万人が死に至る致死率の高い病気です。感染症法では5類に分類されています。
感染ルート
ヒトからヒトへの飛沫直接感染(動物や昆虫を介さない)によって伝染します。狭い込み合った場所(アフリカの都市部、学生寮、兵舎)で伝染します。
症状
1~14日の潜伏期間の後に、 1)菌血症(敗血症)を起こし、高熱や皮膚、粘膜における出血 斑、関節炎等の症状が現れます。引き続いて 2)髄膜炎に発展し、頭痛、吐き気、精神症状、発疹、項部硬直などの主症状を呈します。3)劇症型の場合には突然発症し、頭痛、高熱、けいれん、意識障害を呈し、DIC(汎発性血管内凝固症候群)を伴い、ショックに陥って死に至ります。早期に診断し、 適切な治療を施せば治癒します。
予防
髄膜炎菌ワクチン
ワクチンの種類
髄膜炎菌ワクチンは2価(A/C)と4価(A-C-Y-W135)が製造されています。4価ワクチンは主流です。4価ワクチンには日本産のメンクアッドフィと輸入のMenveo ACWYがあります。当院では現在、 メンクアッドフィのみ取り扱っています。
国内承認したメンクアッドフィについて
商品名:メンクアッドフィ筋注
一般名:4価髄膜炎菌ワクチン(破傷風トキソイド結合体)
効能又は効果: 髄膜炎菌(血清群 A、C、W 及び Y)による侵襲性髄膜炎菌感染症の予防
承認状況:海外では2020年から広く承認を受け使用されています。日本では2022年 9 月 26 日に承認されました。
接種回数:1回
接種対象:2歳以上
用法及び用量: 1 回、0.5 mL を筋肉内接種する。
抗体価持続期間:5年。追加接種に関しては特に規定はありません。
抗体産生目安:接種後2週間後
軽度の副反応:時々見られる軽度の局所反応:希に微熱
重篤な副反応:アレルギー反応(アナフィラキシー症状等)頻度:極めて稀
接種禁忌者:
・高熱、急性疾患、過去の接種で危篤な副反応があった方
・破傷風トキソイドによってアナフィラキシーを呈したことがある方
注意:
妊婦・授乳中の女性、2才未満の小児等、56歳以上の成人において安全性は確立さてておりません。