産業医業務
産業医業務
産業医とは、事業場において労働者が健康で快適な作業環境のもとで仕事が行えるよう、専門的立場から指導・助言を行う医師です。
産業医学の実践者として産業保健の理念や労働衛生に関する専門的知識に精通し労働者の健康障害を予防するのみならず、心身の健康を保持増進することを目指した活動を遂行する任務があります。
従業員数50名以上の企業などでは、労働安全衛生法により、産業医の選任が義務付けられています。
産業医の資格を持つ医師が従業員の相談や健康診断結果の相談、職場環境の整備等、産業衛生管理についてサポートします。
産業医の職務の内容は健康障害の予防と労働者の心身の健康保持、増進に資することを目的とした広い範囲にわたるものです。産業構造の変革、労働者の高齢化、IT技術の進展にともなう作業態様の変化、メンタルヘルス・過重労働問題等社会情勢の変遷に対応して業務の重点項目も変動します。基本の職務内容は下記の通りです。
一般健康診断は、その結果に基づく健康診断個人票の作成と5年間の保存義務があります。また、下記②、③の健康診断については、常時50人以上の労働者を使用する事業者は、「定期健康診断結果報告書」を所轄労働基準監督署長に報告する必要があります。
一般健康診断の種類 | 対象となる労働者 | 実施時期 |
---|---|---|
① 雇入時の健康診断 (労働安全衛生衛則第43条) |
常時使用する労働者 |
雇い入れの際 |
② 定期健康診断 (労働安全衛生規則第44条) |
常時使用する労働者 |
1年以内毎に1回定期に |
③ 特定業務従事者の健康診断 (労働安全衛生規則第45条) |
労働安全衛生規則第13条第1項第2号※に掲げる業務に常時従事する労働者 |
配置替えの際及び6月以内毎に1回定期に |
④ 海外派遣労働者の健康診断 (労働安全衛生規則第45条の2) |
6か月以上海外に派遣する労働者 | 海外に派遣する際及び帰国後に国内における業務に就かせる際 |
※ 労働安全衛生規則第13条第1項第2号に掲げる業務
イ 多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務
ロ 多量の低温物体を取り扱う業務及び著しく寒冷な場所における業務
ハ ラジウム放射線、エックス線その他の有害放射線にさらされる業務
二 土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務
ホ 異常気圧下における業務
へ さく岩機、鋲打機等の使用によって、身体に著しい振動を与える業務
ト 重量物の取扱い等重激な業務
チ ボイラー製造等強烈な騒音を発する場所における業務
リ 坑内における業務
ヌ 深夜業を含む業務
ル 水銀、砒素、黄りん、弗化水素酸、塩酸、硝酸、硫酸、青酸、か性アルカリ、石炭酸その他これらに準ずる有害物を取り扱う業務
ヲ 鉛、水銀、クロム、砒素、黄りん、弗化水素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸、一酸化炭素、二硫化炭素、青酸、ベンゼン、アニリンその他これらに準ずる有害物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務
ワ 病原体によって汚染のおそれが著しい業務
カ その他厚生労働大臣が定める業務
健康診断項目 |
雇い入れ時の健康診断 |
定期健康診断 | 特定業務従事者 の健康診断 |
海外派遣労働者の健康診断 |
---|---|---|---|---|
既往歴及び業務歴 (問診) |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
喫煙歴及び服薬歴 | ※1 |
※1 |
※1 |
※1 |
自覚症状及び他覚症状の有無 | 〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
身長 | 〇 | ●1 | ●1 | ●1 |
体重、視力及び聴力 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
腹囲 | 〇 | ●2※2 | ●2※2 | ●2※2 |
胸部エックス線 | 〇 | 〇 | 〇(年1回で可) | 〇 |
喀痰検査 | □ | □ | □ | □ |
血圧測定 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
貧血検査 | 〇 | ●2 | ●2 | ●2 |
肝機能検査 | 〇 | ●2 | ●2 | ●2 |
血中脂質 | 〇 | ●2 | ●2 | ●2 |
血糖検査 | 〇 | ●2 | ●2 | ●2 |
尿検査 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
心電図 | 〇 | ●2 | ●2 | ●2 |
貧血検査(血色素量、赤血球数、血小板数)
肝機能検査(GOT、GPT、γ-GTP)
血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセライド)
血糖検査(空腹時血糖、ヘモグロビン A1cでも代替可)
尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)
心電図検査
〇:必ず受診する必要がある健診項目
□:胸部エックス線検査により病変および結核発病の恐れがないと診断された者について、医師の判断に
基づき省略可。
●1: 20歳以上の者については、医師の判断に基づき省略可
●2: 40歳未満(35歳を除く)の者については、医師の判断に基づき省略可。
※1 問診等で聴取を行う(通達)。
※2 ●2に加えて、以下の場合に医師の判断に基づき省略可。
(1) 妊娠中の女性その他の者であってその腹囲が内臓脂肪の蓄積を反映してないと診断されたもの。
(2) BMI が20未満である者。
(3) BMI が22未満であって、自ら腹囲を測定し、その値を申告した者。
・ 給食従業員の検便(労働安全衛生規則第47条)
事業場附属の食堂又は炊事場における給食の業務に従事する労働者に対しては、雇入れの際又は配置替えの際に、検便による健康診断を行う必要があります。
・ 自発的健康診断(労働安全衛生規則第50条の2)
過去6ヶ月間に平均して1月当たり4回以上、深夜業に従事した労働者が、自己の健康に不安を有し労働者自らの意志で受ける自発的な健康診断のことで、当該健康診断の結果に
関しても事後措置等を講ずる必要があります。
事業者は受診者全員に所見の有無にかかわらず健康診断の結果を文書で通知する必要があります(労働安全衛生法第66条の6)。
事業者は、健康診断等の結果、異常の所見があると診断された労働者について、就業上の措置について、3か月以内に医師または歯科医師の意見を聴かなければなりません(労働安全衛生法第66条の4)。
適切に意見を聴くために、必要に応じ、意見を聴く医師等に対し、労働者に係る作業環境、労働時間、労働密度、深夜業の回数及び時間数、作業態様、作業負荷の状況、過去の健康診断の結果等に関する情報及び職場巡視の機会を提供し、また、健康診断の結果のみでは労働者の身体的又は精神的状態を判断するための情報が十分でない場合は、労働者との面接の機会を提供することが適当です。
また、事業者は、上記の医師等の意見を勘案し必要がある場合は、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を講ずる必要があります(労働安全衛生法第66条の5)。事後措置のため求める意見は以下のとおりです。
区分 | 内容 | 就業上の措置の内容 |
通常勤務 | 通常の勤務でよいもの | —— |
就業制限 | 勤務に制限を加える必要のあるもの | 勤務による負荷を軽減するため、労働時間の短縮、出張の制限、時間外労働の限限、労働負荷の制限、作業の転換、就業場所の変更、深夜業の回数の減少、昼間勤務への転換等の措置を講じる。 |
要休業 | 勤務を休む必要のあるもの | 療養のため、休暇、休職等により一定期間勤務させない措置を講じる。 |
2015年12月より50名以上の従業員を抱える事業者様にストレスチェックが義務付けられました。 当院は事業者様・従業員様のストレスチェックを全面サポートいたします。
ストレスチェック開始〜実施までは、
ご予約・お打合せ・実施方法決定
ID発行・調査票発行
受検実施・調査票回収・結果納品 の流れで行います。
通常の健康診断から産業医実施後における事後措置の具体的な内容は、主に以下の6つのステップから成り立っています。
① A(企業・会社・個人事業主)はB(健診センター・クリニック)に健康診断へ業務依頼
② 健康診断の予約・実施
③ A(企業・会社・個人事業主)はB(健診センター・クリニック)から健康診断の結果を受領する
④ A(企業・会社・個人事業主)が従業員に対し、健康診断の結果を通知する
⑤ 従業員の健康診断の結果について、C(産業医)からの意見を聴取する
⑥ 産業医から必要だと判断された従業員に対して、D医療機関への受診勧奨等を行う
⑦ D医療機関の精査の結果に応じ、指導区分の決定・就業上の措置を行う
⑧ 労働基準監督署に健康診断を実施した旨を報告する
上記のようにB、C、Dは所属がそれぞれ違います。健康診断の実施が終わったら、企業から産業医へ、全従業員の健康診断結果を共有します(紙ベースで共有することが多いです)。そこで、健康診断の実施日から3か月以内に、産業医より1人1人の健康診断結果を確認・意見を記載してもらう必要があります。当院では健診業務も産業医業務も一部の精査業務も必要に応じ治療もできますので、迅速な対応が期待できます。
産業医を選任することで・・
・労働者の健康管理に役立ちます
・衛生教育などを通じ職場の健康意識が向上します。
・職場における作業環境の管理などについて助言が受けられます。
→ 健康で活力ある職場づくりに大きく役立ちます。
当院では健診業務も産業医業務も一部の精査業務も必要に応じ治療もできますので、迅速な対応を約束いたします。ぜひ下記までご連絡。
TEL.078-945-8996
FAX.078-945-8995
メールinfo@minatogawa-cl.comでも携帯でも090-3974-3966連絡可能。