子供の発熱、風邪、胃腸炎|神戸市兵庫区|湊川ファミリークリニック|湊川駅徒歩5分の内科・糖尿病内科・消化器内科

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子供の病気

子供の発熱、風邪、胃腸炎|神戸市兵庫区|湊川ファミリークリニック|湊川駅徒歩5分の内科・糖尿病内科・消化器内科

子供の感染症

子どもは大人に比べて感染症にかかりやすい傾向にあります。感染症は冬に流行するイメージがあるかもしれませんが、春〜秋も季節によって様々な感染症が流行します。年間を通して、手洗いや消毒などの基本的な感染対策をしっかり行いましょう。またどの季節にどんな感染症が流行するのかを事前に知って、季節に合わせて対策をしましょう。

春に気をつけたい子どもの感染症

・溶連菌感染症
・流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)
・百日咳

夏に気をつけたい子どもの感染症

・手足口病
・ヘルパンギーナ
・咽頭結膜熱(プール熱)
・流行性角結膜炎(はやり目)
 

秋に気をつけたい子どもの感染症

・マイコプラズマ感染症
・RSウイルス感染症

冬に気をつけたい子どもの感染症

・インフルエンザ
・ウイルス性胃腸炎(ノロウイルス感染症)

突発性発疹

突発性発疹はヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)もしくはヒトヘルペスウイルス7型(HHV-7)によって起こる感染症です。突然の高熱と解熱前後の発疹が特徴です。生後6カ月~2歳までにほとんどすべての子どもが感染します。感染しても症状が出ないケースが20~40%程度あると言われています。感染経路は、唾液などを介してうつる飛沫感染、気道感染と言われていますが、はっきりとはわかっていません。

症状 

突然、発熱して38℃以上高熱が3日程度続き、解熱後に小さな皮疹が出てきます。発疹は、細かい赤い発疹で、少し盛り上がっているのが特徴。時々ブツブツがくっついて大きな赤い発疹になることもあります。発疹も3日程度で消え、多くはこの症状で終わります。

診断

診断は、現在、症状がすべてです。解熱後に発疹が出て診断されます。

治療法

特効薬はありません。2歳までにかかるので、発熱時の対応がメインになります。
・水分補給を行う
・高熱でつらそうな時は解熱薬を使う。(しかし、解熱剤を使っても時間がたつと再び発熱する)
・けいれんには、抗けいれん薬を使用する
特に、脱水を防ぐための水分補給は大切。下痢などの症状があるので、電解質を含む飲料がお薦めです。

マイコプラズマ感染症(気管支炎・肺炎)

マイコプラズマという病原体によっておこる気管支炎・肺炎で、幼児や学童に多くみられます。

症状

咳が強く、熱も出ることが多いですが、ときに微熱程度のこともあります。

検査

気管支炎としてペニシリン系やセフェム系の抗菌剤を飲んでいても熱が下がらなかったり咳がなかなかおさまらない場合に、マイコプラズマ肺炎のことがあります。
胸のレントゲン写真や血液検査、のどぬぐい液の迅速検査などで診断がつきます。

治療

マイコプラズマに効くマクロライド系の抗菌薬を処方します。それらの薬の効きが悪い場合には抗菌薬を変更することもあります。
多くの場合、入院しなくても外来で治療することができます。

登園・登校

熱が下がって咳もよくなり、主治医の許可があれば行ってもよいでしょう。

扁桃炎

原因

・ウイルス性:インフルエンザウイルス、アデノウイルス、エプスタイン・バーウイルス(EBV)など
・細菌性:A群連鎖球菌、インフルエンザ杆菌、肺炎球菌など

症状:

ウイルス性は細菌性より軽症のケースが多い。
・激しい喉の痛み:喉が赤く腫れ、飲み込むときに強い痛みを感じます。
・高熱:38度以上の発熱が特徴的で、時には悪寒を伴います。
・扁桃腺の腫れ、または白い膿:扁桃腺が腫れ、白い膿が付着することがあります。
・リンパ節の腫れ:前頚部のリンパ節が腫れ、触ると痛みを感じることがあります。
・頭痛や全身の倦怠感:頭痛や筋肉痛、全身の疲労感が見られることもあります。

検査:

溶連菌疑いの場合は迅速抗原検査、炎症反応を確認する場合は血液検査。

治療:

ウイルスは原因の場合はトローチ、トランサミン、桔梗湯、アズノールうがい
溶連菌以外の細菌性扁桃炎:フロモックスなど
溶連菌扁桃炎の場合は、ペニシリン系抗菌薬を10日間飲みます。1日か2日で熱が下がり、のどの痛みも消えますが、途中で薬をやめてしまうと再発します。症状が良くなっても、もらった抗菌薬はきちんと飲みきりましょう。

登園・登校:

適切な抗菌剤による治療をはじめて24時間以上たっていて熱が下がっていることを確認し、登園・登校が可能です。

注意事項:

※感染は飛沫や接触によって広がり、集団生活や家庭内で蔓延しやすいため、迅速な診断と治療が重要です。

※糸球体腎炎という腎臓の病気を合併することがまれにありますので、薬を飲み終えてから7日~10日後に尿の検査を行うことをお勧めします。

手足口病

毎年夏に乳幼児を中心に流行しています。原因はエンテロウイルスとコクサッキーウイルスです。伝染経路は飛沫感染(くしゃみなどを介してウイルスを吸収する)と接触感染(直接ウイルスが粘膜に触れる、便中のウイルスが口の中から身体に入る)です。

症状

発熱、咳、鼻水、嘔吐などの症状に加え、手のひら、足の裏、口の中に水疱性の発疹が出る感染症です。発熱は38℃以下が多いです。発疹はかさぶたにはならずに3-7日で消えます。口の中の発疹は痛みがあるため、食事や水分をとりたがらなくなることが多い。手足の発疹は痛みやかゆみがある痛みやかゆみがあるため歩くのを嫌がる子もいます。

治療

特効薬や特別な治療法はありませんが、基本的には軽い症状の病気のため、対症療法(症状に応じて対処する治療法)で様子をみます。

登園・登校

保育園などへの登園の目安は、発熱や口腔内の水泡・潰瘍の影響がなく、普段の食事がとれることなどです。
※熱が下がってから1日以上経過していること

EBウイルス感染症(伝染性単核球症)

原因:

EBウイルス、CMVウイルス

症状:

熱、咽頭痛、後頚部リンパ節腫脹など。乳幼児期では感染しても症状が出ないことも多いですが、思春期以降では感染者の約半数に症状が見られます。
高熱は数日間、ときには1週間以上も続き、全身に発疹がでたり、目のまわりがむくんだりすることもあります。また扁桃に白い膜がついたり、上あごに出血班が出たり、肝臓や脾臓が腫れたり、肝機能が悪くなったりすることもあります。

検査:

肝機能、EBウイルスに対する検査、CMVウイルスに対する検査

治療
原因のEBウイルスに効く薬はありません。熱やのどの痛みをおさえる薬を処方しますが、ふつうは自然に治ります。熱が続いて体力が弱ったり、肝機能がわるくなったりすれば、入院治療が必要なこともあります。

登園・登校

熱が下がって水分や食事の接種ができるようになるまで5~7日ほど休ませましょう。

みずぼうそう(水痘)

症状:

水をもった赤い発疹が、口の中から陰部、頭の中まで全身に出ます。発疹は2~3日でピークとなり、その後乾いて黒いかさぶたになります。平均して1週間ぐらいでよくなります。

治療:

かゆみ止めのぬり薬と飲み薬を処方します。化膿したときは抗菌薬入りの軟膏や飲み薬を処方します。症状によっては抗ウイルス薬を処方することもあります。

登園・登校

1週間ぐらいたって、ブツブツが全部かさぶたになったら行ってもかまいません。

家庭で気をつけること

① かゆいけど:ひっかいてかきこわさないように爪は短くしておきましょう。赤ちゃんなら手袋をするのもいいでしょう。
② お風呂  :お風呂でさっと汗を流しておくほうが、かゆみも少なく、化膿することも少ないものです。
③ 食べ物  :口の中にできると痛いので、しみるもの(塩辛いもの、すっぱいもの)はいやがるでしょうね。とくに食べてはいけないものはありません。

起立性調節障害

 起立性調節障害は、自律神経力が弱いためにおこる自律神経失調症のひとつです。3) 代表的な症状は、立ちくらみ、立っていると気持ち悪くなりひどいと倒れる(いわゆる脳貧血症状)、朝起きられない、などです。 朝起きられず、特に午前中の調子が悪いので、不登校につながることもあります。

症状

1) 立ちくらみ、朝起きられない、気分が悪い、長い間立っていたり立ち上がったりするときにふらついたり気を失ったりする、頭が痛いなどです。症状は午前中に強く、午後からは軽減することが多いです。
2) 症状は立っている時や座っている時に出ることが多く、横になると改善します。
3) 夜になると元気になり、スマホやテレビを楽しむことができるようになることが多いです。
4) そうすると夜に目がさえて寝つけず、起床時間が遅くなり、悪化すると昼夜逆転のような生活になってしまいます。

診断

1) 立ちくらみ、失神、気分不良、朝起きられない、頭痛、腹痛、動悸、午前中に調子が悪く午後に回復する、食欲不振、車酔い、顔色が悪いなどの症状が3つ以上、あるいは2つ以上でも症状が強ければ起立性調節障害を疑います。
2) 客観的検査としては、新起立試験といって10分間寝かせた後に起立し、血圧や心拍数の変化を評価する試験もあります。
3) その他の病気(貧血や甲状腺機能の異常など)を否定しておくことも必要です。

治療

1) 軽めの運動(散歩や縄跳び)を普段から心がけ、また夜更かしをしない規則正しい生活をするようにします(決まった時間に就寝し、就寝後はスマホを手元から離す)。
2) 循環血液量を増やすため、水分や塩分を少し多めにとるようにします。
3) 立ちくらみが強い場合には、普段から急に立ち上がらないように気をつけ、気持ちが悪くなるようなら早めにしゃがんだり横になったりするようにします。
4) 起立時に倒れる場合や、朝起きられず日常生活に支障が強い時には内服薬を併用します。薬物には、血管を収縮させ血圧低下を防ぐ薬剤が使用され、メトリジンやリズミックなどがあります。漢方薬が有効な場合もあります。
5) 心理的・社会的ストレス(学校や家庭)が症状を悪化させている可能性もあります。保護者、学校関係者と協力してストレスの軽減に努めることも大切です。

今後の見通

1) 思春期に自律神経の働きが弱くなってしまうことが原因であり、加齢に伴い自律神経が成長し安定すると必ず良くなる疾患です。そのため、厳密な意味での治療は“成長を待つ”ということになります。その間、症状を緩和し日常生活に不都合が出ないように、上記のような治療を行うと考えてください。
2) 保護者や学校関係者は症状から、「なまけ癖がある」などと考えてしまうこともありますが、「この病気は身体疾患(からだの病気)であり、『根性』や気持ちの持ちようだけでは治らない」ということを理解してもらうことが必要です。