過敏性腸症候群(IBS)|神戸市兵庫区|湊川ファミリークリニック|湊川駅徒歩5分の内科・糖尿病内科・消化器内科

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過敏性腸症候群(IBS)

過敏性腸症候群(IBS)|神戸市兵庫区|湊川ファミリークリニック|湊川駅徒歩5分の内科・糖尿病内科・消化器内科

原因

明確な原因は不明ですが、ストレスなど心理的要因、腸内細菌、食物アレルギー、感染性腸炎などが原因として考えられます。

症状

主な症状は、腹痛あるいは腹部不快感とそれに関連した便通異常(便秘・下痢)です。症状は排便によって軽快もしくは軽減し、社会心理的ストレスで悪化します。いずれの場合も一時的ですが、長期的には慢性あるいは再発性に持続します。

診断基準

最近3か月間、月に4日以上腹痛が繰り返し起こり、次の項目の2つ以上があること。

  1. 排便と症状が関連する
  2. 排便頻度の変化を伴う
  3. 便性状の変化を伴う

期間としては6か月以上前から症状があり、最近3か月間は上記基準を満たすこと

分類

便形状により便秘便と下痢便の頻度の割合から下の表に示しているように便秘型、下痢型、混合型、分類不能型に分類されます。

1.便秘型IBS-C

硬便または兎糞状便が25%以上あり、軟便(泥状便)または水様便が25%未満

2.下痢型IBS-D

軟便(泥状便)または水様便が25%以上あり、硬便または兎糞状便が25%未満

3.混合型IBS-M

硬便または兎糞状便が25%以上あり、軟便(泥状便)または水様便も25%以上

4.分類不能型IBS

便性状異常の基準がIBS-C,D,Mのいずれも満たさない

男性より女性に多く、男性は下痢型、女性は便秘型が多い傾向にあります。診断を行う際には血液姸、腹部レントゲン、便潜血検査や大腸カメラなど必要に応じて各種検査を施行し、大腸癌や炎症性腸疾患など、ほかの病気ではないことを確認しておくことが重要です。

治療

IBSの治療は生活様式の調整、食事療法、薬物療法を主に行います。

生活様式の調整

ストレスや過労をさけ、規則正しい生活と十分な睡眠が推奨されます。 

食事療法

刺激物摂取や、夜間の大量の食物摂取は避ける。特定食物で症状が起こりやすい患者さんはその食物を回避する。

薬物療法
  1. トリメブチン(セレキノン)。オピオイド受容体作動薬。オピオイド受容体に作用するとともに、消化管平滑筋にも直接作用します。下痢と便秘どちらにも効果があります。腹痛には即効的にはたらきますが、効き目はやや穏やかです。
  2. ラモセトロン(イリボー)。セロトニン5-HT3受容体拮抗薬。亢進した消化管運動を抑制します。また、感覚神経にも作用して腹痛や内臓知覚過敏を改善する作用もあります。下痢型に用いられます。
  3. ブスコパン抗コリン薬。平滑筋の収縮を抑制するので、鎮痙作用、鎮痛効果も有します。主に、下痢と腹痛に用いられています。緑内障、前立腺肥大による排尿障害、麻痺性イレウス、重篤な心疾患のある方など、使用ができない「禁忌」がありますので注意が必要です。
  4. モサプリド(ガスモチン)。消化管運動賦活薬(5-HT4受容体刺激薬)。消化管運動を促進します。消化管運動が低下して起こる便秘に用いられます。消化管の内容物の通過時間を短縮させ、腹痛・腹部膨満感の改善・ガス量の減少なども期待して使われることがあります。
  5. ポリカルボフィルカルシウム(コロネル、ポリフルなど)。高分子重合体。消化管内で水分をよく吸収・保持し、膨張・ゲル化します。下痢に対しては、便の過剰な水分を吸収して便を硬くします。便秘に対しては、保水作用によって便を軟らかくするとともに、便の膨張によって大腸が刺激されて便を排泄しやすくします。つまり下痢にも便秘にも対応しています。ただしPPIや制酸剤、酸化マグネシウムなどを併用すると効果が減弱するおそれがあります。高Ca血症のある方、腎結石、腎不全、腸閉塞を引き起こすおそれがある方などに「禁忌」です。下痢型にも便秘型にも基本薬。男性5μg、女性2.5μg、1日1回朝食前
  6. 整腸剤
  7. 止痢薬 ロペラミド(ロペミン)やタンニン酸アルブミン(タンナルビン)
  8. 粘膜上皮機能変容薬 アミティーザやリンゼス
  9. その他の便秘薬(下剤):マグミットやピコスルファートなど

薬物療法の簡略な考え方

  1. 基本薬:下痢型にも便秘型にも有効。ポリフル(コロネル®) 男性5μg、女性2.5μg、1日1回朝食前
  2. 下痢型:整腸剤、ロペミン
  3. 便秘型:ガスモチン、大建中湯、マグミット、リンゼス、グーフィスなど
  4. 腹痛型:ブスコバン屯用
  5. うつを伴う場合:サイバルタ
  6. 不安を伴う場合:メイラックス

参考サイト