咳嗽|神戸市兵庫区|湊川ファミリークリニック|湊川駅徒歩5分の内科・糖尿病内科・消化器内科

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咳嗽

咳嗽|神戸市兵庫区|湊川ファミリークリニック|湊川駅徒歩5分の内科・糖尿病内科・消化器内科

咳嗽は原因、期間や性状によりさまざまなタイプに分けられます。

咳の原因による分類

咳は原因により、感染性咳嗽と非感染性咳嗽に分けられます。。膿性痰の有無、炎症反応、胸部レントゲンなどを参考に診断します。

種類

原因

1)感染性

ウイルス性
  • インフルエンザウイルス
  • RSウイルス
  • ライノウイルス
  • コロナウイルス
細菌性
  • 肺炎球菌
  • インフルエンザ桿菌
  • モラキセラ
  • マイコプラズマ
  • 百日咳

2)非感染性

咳喘息、逆流性食道炎による咳、慢性副鼻腔炎、肺がんなど。

咳の期間による分類

種類

原因

1)急性咳嗽(~3週)

感染性(細菌やウイルス)が多く、感冒、感冒後咳嗽、急性副鼻腔炎、細菌性肺炎など

2)遷延性咳嗽(3~8

感染性:百日咳、マイコプラズマ、細菌性肺炎など。

非感染性:咳喘息や逆流性食道炎など。

3)慢性咳嗽(8週~)

咳喘息、逆流性食道炎、慢性副鼻腔炎、肺結核、肺非結核性抗酸菌症、肺がんなど。

咳の性状による分類

  • 乾性咳嗽(かわいた咳)
  • 湿性咳嗽(痰が出る咳)
種類 原因

乾性咳嗽(痰なし)

感染後後咳嗽、咳喘息、胃食道逆流、後鼻漏症候群、間質性肺炎、百日咳、心因性習慣性咳嗽、ACE阻害薬など

湿性咳嗽(痰あり)

副鼻腔気管支症候群、慢性気管支炎など

特殊な咳嗽

1) 感染後咳嗽

⑴ 風邪症状が先行している.
⑵ 遷延性咳嗽あるいは慢性咳嗽を生じる他疾患が除外できる.
⑶ 自然軽快傾向がある.

2) 副鼻腔気管支症候群

8週間以上続く呼吸困難発作を伴わない湿性咳嗽.
次の所見のうち1つ以上を認める.
  ①後鼻漏,鼻汁,咳払いなどの副鼻腔炎様症状.
  ②敷石状所見を含む口腔咽頭における粘膿性の分泌液.
  ③副鼻腔炎を示唆する画像所見.
  14,15員環マクロライド系抗菌薬や去痰薬による治療が有効.

3) 咳喘息

喘鳴を伴わない咳嗽が8週間(3週間)以上持続.聴診上もwheezeを認めない.
気管支拡張薬(β刺激薬またはテオフィリン製剤)が有効.
(参考所見)
  ①末梢血・喀痰好酸球増多,呼気中NO濃度高値を認めることがある(特に後2者は有用).
  ②気道過敏性が亢進している.
  ③咳症状にはしばしば季節性や日差があり,夜間~早朝優位のことが多い.

4) アトピー咳嗽

⑴ 喘鳴や呼吸困難を伴わない乾性咳嗽が3週間以上持続.
⑵ 気管支拡張薬が無効.
⑶ アトピー素因を示唆する所見注1)または誘発喀痰中好酸球増加の1つ以上を認める.
⑷ ヒスタミンH1拮抗薬または/およびステロイド薬にて咳嗽発作が消失.
注1)アトピー素因を示唆する所見
  ①喘息以外のアレルギー疾患の既往あるいは合併
  ②末梢血好酸球増加
  ③血清総IgE値の上昇
  ④特異的IgE抗体陽性
  ⑤アレルゲン皮内テスト陽性

5) 胃食道逆流症による咳嗽

治療前診断基準
8週間以上継続する慢性咳嗽で,以下のいずれかを満たす.
胸やけ,呑酸など胃食道逆流の食道症状を伴う.
咳払い,嗄声など胃食道逆流の咽喉頭症状を伴う.
咳が会話,食事,起床,体動,体重増加などに伴って悪化する.
咳嗽の原因となる薬剤の服用(ACE阻害薬など)がなく,気管支拡張薬,吸入ステロイド薬,抗アレルギー薬などの治療が無効あるいは効果不十分.
治療後診断
胃食道逆流に対する治療(プロトンポンプ阻害薬,ヒスタミンH2拮抗薬など)により咳嗽が軽快する

 

治療

急性上気道炎

症状が軽度であれば、非麻薬性鎮咳薬(メジコンやアスベリン)などを使います。症状が軽度であれば、麻薬性鎮咳薬(コデインやフスコデなど)を使います。

急性気管支炎

痰を伴う場合は、鎮咳薬去痰薬の併用(ムコダインやムコソルバン)が一般的です。

慢性気管支炎・COPD

気管支拡張薬や去痰薬が主体となりますが、夜間の咳が強い場合などには鎮咳薬が追加されます。

気管支喘息・咳喘息

基本的には気管支拡張薬と抗炎症薬を含む吸入薬が主体となりますが、咳が強い場合には非麻薬性鎮咳薬が追加されます。

主な治療薬

種類 代表薬

咳止め

【中枢性非麻薬性鎮咳薬】

チペピジン(アスベリン)
デキストロメトルファン(メジコン)
ジメモルファン(アストミン)
クロペラスチン(フスタゾール)

【中枢性麻薬性鎮咳薬】

フスコデ:12歳未満;禁忌。12歳以上15歳未満;成人量の2/3。

去痰薬

  • 気道粘液溶解薬:アセチルシステイン(ムコフィリン)、L-エチルシステイン(チスタニン)など
  • 気道粘液修復薬:カルボシステイン(ムコダイン
  • 気道分泌細胞正常化薬:フドステイン(クリアナール、スペリア)
  • 気道潤滑薬:アンブロキソール(ムコソルバン
  • 生薬去痰薬:キョウニンエキス(キョウニン水)

吸入薬

  • 単成分 吸入ステロイド薬(ICS):フルタイド®、パルミコート®、キュバール®
  • 単成分 長時間作用性β2刺激薬(LABA):セレベント   ※貼付薬:ホクナリン
  • 2成分  吸入ステロイド薬・β2刺激配合薬(ICS・LABA):アドエア、シムビコート、フルティフォーム、レルベア、スピリーバ・レスピマット
  • 3成分 吸入ステロイド薬・抗コリン薬・β2刺激薬:テリルジー

※ステロイド薬は抗炎症作用を、β2刺激薬気管支拡張作用を、抗コリン薬は痰の排出促進作用を持っている。

漢方

麦門冬湯:乾いた咳、のどの乾燥感、微熱などを伴う咳。気管支炎や気管支喘息の慢性期、感冒の回復期などに。
小青竜湯:水様の鼻水、くしゃみ、咳、痰などのアレルギー性鼻炎や気管支喘息の症状に。冷えを伴う場合に特に効果的です。
麻杏甘石湯:発熱、のどの渇き、息切れ、咳などを伴う急性気管支炎や気管支喘息の発作期に。
五虎湯:乾いた咳、のどの痛み、発熱などを伴う急性気管支炎や上気道炎に。
清肺湯:痰を伴う咳、胸部の圧迫感、息切れなどを伴う慢性気管支炎や気管支喘息に。