
じんましんとは
じんましんは皮膚の一部が突然くっきりと赤く盛り上がり(膨疹)、融合傾向を認め、しばらくすると跡形もなくかゆみと皮疹が消えるという特徴があります。原因は多岐にわたりますが、70%以上は原因不明(特発性)です。 ストレスや疲労は直接の原因ではありませんが、症状を悪化させる可能性があります
分類
| 大分類 | 病型 | 主な特徴・誘因 |
|---|---|---|
I. 特発性 |
1. 急性 | 発症から6週間未満で軽快。特に小児では、ウイルスや細菌などの感染症(例:風邪)がきっかけで起こることが多い。 |
| 2. 慢性 | 症状が6週間以上持続。ほとんどの症例で特定の原因は不明。夕方から夜間にかけて症状が悪化する傾向がある。 | |
II. 刺激誘発型 |
1. アレルギー性 | 特定の食物、薬剤などによって引き起こされる。通常は摂取後数分から2時間以内に発症する。 |
| 2. 物理性 |
摩擦、寒冷、日光、温熱、圧迫などの物理性の刺激 |
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| 3. コリン性 | 発汗(入浴、運動、精神的緊張など)が誘因となる。直径1~4mm程度の小さな膨疹と、チクチクとしたかゆみが特徴。 | |
| 4. 接触蕁麻疹 | 特定の物質が皮膚に直接触れることで、その部位に発症する。 | |
III. 血管性浮腫 |
膨疹を伴わない血管性浮腫 |
皮膚や粘膜の深い部分の腫れ(まぶた、唇など)。2~3日持続し、痛みを伴うことがある。気道に腫れが及ぶと危険。
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治療
塗り薬などの外用薬は基本的には効果がない。治療の基本は、抗ヒスタミン薬(鼻炎治療薬)の内服です。特に、眠気などの副作用が少ない「第二世代抗ヒスタミン薬」が第一選択薬です。出てしまった発疹を抑えるだけでなく、継続的に服用することで、発疹そのものが出にくい状態を維持する効果があります。日本皮膚科学会のガイドラインでは、効果が不十分な場合に段階的に治療を強化するステップアップ方式を推奨しています。
| 一般名 | 商品名 | 眠気 | 運転 | 回数 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| オロパタジン | アレロック (Allelock) | +++ | 不可 | 1日2回 | |
| レボセチリジン | ザイザル (Xyzal) | +++ | 不可 | 1日1回 | 倍量投与可能、食事の影響を受ける |
| エバスチン | エバステル (Ebastel) | + | 注意 | 1日1回 | |
| フェキソフェナジン | アレグラ (Allegra) | ± | 可能 | 1日2回 | 食事の影響を受ける |
| ロラタジン | クラリチン (Claritin) | ± | 可能 | 1日1回 | |
| ビラスチン | ビラノア (Bilanoa) | ± | 可能 | 1日1回 | |
| デスロラタジン | デザレックス (Desalex) | ± | 可能 | 1日1回 |




