心窩部痛、胃もたれ、食後胃の痛みや不快感、食欲不振、胃もたれ、胸やけ、吐き気などの症状が慢性的に続いているのに、病院で内視鏡検査を含む検査を行っても異常が認められないため、異常がないと診断されるケースも少なくない。薬をいろいろ試してもなかなか症状の改善は乏しい。本人はとてもつらいですが、周りに理解されません。機能性ディスペプシアや非びらん性胃食道逆流症(Non-Erosive Reflux Disease、NERD(ナード))の可能性があります。こんな方はお一人で悩みがちですが、どうぞあきらめないでください。気軽に当院を受診してください。
機能性ディスペプシア(FD)
| 主症状 | 随伴症状 | 漢方 | |
|---|---|---|---|
|
心窩部痛あり 心窩部痛症候群(EPS) |
芍薬を含むため筋攣急による疝痛を伴う | 柴胡桂枝湯 | |
| 芍薬は含まれず、過酸症状をともなう心窩部鈍痛 | 安中散 | ||
| その他の処方 ①四逆散:芍薬を含む.柴胡桂枝湯の無効例に試みる. ②大柴胡湯:体格が頑丈で,上腹部の緊張が強く,便秘傾向である. ③芍薬甘草湯:腹部疝痛に頓服で用いる. |
|||
|
心窩部痛なし 食後上腹部愁訴症候群(PDS) |
食欲低下、胃もたれ、疲れやすい、かぜを引きやすい、体力がない、冷える、下痢しやすいなど | 六君子湯 | |
| 比較的体力あり、心窩部の張り、嘔気や腹鳴、軟便下痢,口内炎などをともなうこともある | 半夏瀉心湯 | ||
| その他の処方 ①補中益気湯:FD症状もあるが,訴えの中心が全身倦怠感である. ②人参湯:慢性下痢や手足の冷え,色が薄くて頻回の排尿などをともなう. ③安中散:胸やけ,心窩部鈍痛を訴える. |
|||
参照:消化器疾患と漢方治療
非びらん性胃食道逆流症(Non-Erosive Reflux Disease、NERD)
呑酸や胸やけが典型的な症状です。その他にも、咽喉頭違和感、咽頭痛、咳、胸のつまり感、胸痛などの症状が起こることもあります。治療は逆流性食道炎と同様ですが、PPIが無効例や効果が乏しいときに漢方薬が選択肢の1つになる.
1)半夏瀉心湯
2)六君子湯
3)安中散:心窩部鈍痛とともに逆流症状がある.
4) 茯苓飲合半夏厚朴湯:心窩部がガスで張り,胸部つかえ感や抑うつ気分をともなう.
消化不良や吐き気
| 主症状 | 随伴症状 | 漢方 |
|
消化不良や吐き気 |
・腹部のつかえ、少量の食事で満腹になる ・普段から胃腸が弱く、胃もたれの第一選択薬 |
六君子湯 |
| ・みぞおちのつかえや胸やけがある方に ・暴飲暴食により、腹部膨満感、軟便、下痢など |
半夏瀉心湯 | |
| ・イライラや不安、不眠、ストレスのある方に ・わき腹からみぞおちにかけて苦しく、口苦を伴う方 |
小柴胡湯 | |
| ・吐き気・嘔吐の第一選択薬 | 五苓散 | |
| そのほか |
・のどの異物感や胸の不快感のある方に第一選択薬 |
半夏厚朴湯 |




