
脂肪肝=脂肪性肝疾患(SLD)とは
肝細胞に中性脂肪が異常に蓄積した状態は脂肪肝と言います。病理検査では5%以上の肝細胞に脂肪滴を占めす場合、脂肪肝と診断します。一方CTや超音波検査などの画像検査では、20%以上の肝細胞に脂肪沈着が生じて初めて脂肪肝と診断できます。
2023年6月に外国の3学会が合同で「脂肪肝(fatty liver)」を「脂肪性肝疾患(SLD)」への変更を提案しました。日本肝臓学会、日本消化器病学会もこの変更に賛同することを発表していました。
原因
・アルコールの過剰摂取
・肥満・過食・運動不足
・糖尿病・脂質異常症
・薬剤:ステロイド剤など
・遺伝的要因
・その他:急激なダイエットによる低栄養性脂肪肝、ホルモン異常、睡眠時無呼吸症候群など
分類
SLDは以下のカテゴリーに分類されます。
1.アルコール関連肝疾患(ALD)
過剰なアルコール摂取(週に女性で350g以上、男性で420g以上は目安)により生じる肝障害の総称。従来の「アルコール性肝障害」とほぼ同義。
2.代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)
飲酒量週に女性で140g未満、男性で210g未満の場合、脂肪肝に加え、肥満、高血糖、高血圧、高中性脂肪血症、低HDLコレステロール血症といった5つの心血管代謝リスク因子のうち、少なくとも1つ以上が当てはまる状態。
3.代謝機能障害アルコール関連性肝疾患(MetALD、Metabolic and Alcohol Associated Liver Disease)
週に女性で140〜350g、男性で210〜420gのアルコールを摂取しつつ、代謝異常を併せ持つ患者。
4.代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)
MASLDに該当し、肝炎が生じている場合。従来の「NASH」と同義。放置すると肝硬変や肝がんに進行する可能性があります。
※純アルコール30gとは大体ビール大瓶1本、日本酒1合、焼酎1/2合
NAFLD=単純性脂肪肝+NASH
5. 特定成因脂肪性肝疾患(Specific Aetiology SLD)
6.成因不明脂肪性肝疾患(Cryptogenic Steatotic Liver Disease)
・Steatotic Liver Disease(SLD):脂肪性肝疾患
・Metabolic Dysfunction Associated Steatotic Liver Disease(MASLD):代謝機能障害関連脂肪性肝疾患
・Metabolic Dysfunction Associated Steatohepatitis(MASH):代謝機能障害関連脂肪肝炎
・Alcohol Associated (Related) Liver Disease(ALD): アルコール関連肝疾患
・MetALD :代謝機能障害アルコール関連肝疾患
検査
血液検査:AST、ALT値、γGT値、血小板数、FIB4
画像診断:腹部超音波やCT
治療
肪肝の治療は、節酒、食事療法と運動療法です。
・節酒:飲酒量は1日1合以内とし、週に2日以上は休肝日にします。
・食事療法:脂質と糖質を減らして低カロリーを心がけ、魚や野菜中心とする。間食を控え、規則正しい時間に食事をとる。
・運動療法:有酸素運動と、週3回ほどの筋肉トレーニングを取り入れる。
参考資料
・FIB-4 indexによるリスク判定
FIB-4 indexはALT、AST、年齢、血小板という日常臨床で使う検査項目から計算できた指数です。肝臓の線維化だけでなく、予後や合併症を予測するのに有用なマーカーです。
FIB-4 indexで層別化した各リスク群の新規肝関連疾患の年率
|
種類 |
FIB-4 |
年率 |
|
|---|---|---|---|
| 低危険度 |
<1.30 |
1倍 |
|
| 中間危険度 | 1.30~2.67 | 4.34倍 | |
| 高危険度 |
≥2.67 |
32.6倍 |
|
・アルコールの種類・糖質・アルコール量・カロリーについて
|
種類(mL) |
糖質(g) |
アルコール量(g) |
エネルギー 量(Kcal) |
|
|---|---|---|---|---|
| ビール350 | 10.8 | 17.5 | 145 | |
| 発泡酒350 | 11.4 | 17.5 | 159 | |
| 日本酒180 | 7.5 | 27 | 186 | |
|
焼酎(25度) 100 |
0 | 25 | 142 | |
| ウイスキー 60 |
0 | 20 | 142 | |
|
赤ワイン200 |
3 |
24 |
146 | |




