
閉塞性動脈硬化症とは
閉塞性動脈硬化症とは、動脈硬化は原因で血管が狭くなったり、詰まったりすたるため、血液の流れが悪くなり、栄養や酸素を十分に送り届けなくなる病気です。動脈硬化は、さまざまな病気を引き起こす原因となります。
◆脳の動脈の狭窄・閉塞→一過性脳虚血発作や脳梗塞
◆心臓の冠動脈が狭窄・閉塞→狭心症や心筋梗塞
◆下腿・足の動脈が狭窄・閉塞→下肢閉塞性動脈硬化症(PAD)
原因
危険因子は、高齢、男性、糖尿病、喫煙、高血圧、脂質異常症など。
症状
この疾患は慢性的な経過をとることが多いため、下記の臨床症状分類(Fontain分類)が病気の進⾏度をみる指標の1つになります。初期症状は『冷感』や『しびれ感』であるため見逃したり、軽く考えて放置してしまいがちです。
Fontain 分類
◆Ⅰ度・・・冷感・しびれ感
・手足が冷たい
・手足がしびれる
・手足の指が青白い
◆Ⅱ度・・・間歇性跛行
・一定距離を歩くと、主にふくらはぎなどが締め付けられるように痛くなり、休まなければならない。(数分で回復)
・階段をのぼるのは特につらい
◆Ⅲ度・・・安静時疼痛
・じっとしていても手足が痛み、夜もよく眠れない
・刺すような痛みが常に持続している
◆Ⅳ度・・・潰瘍・壊死
・手足に治りにくい潰瘍ができる
・壊死部は黒くなる
検査
◆上腕と⾜での⾎圧⽐(ABI=⾜での⾎圧測定値/上腕での⾎圧測定値)で、下肢の循環障害の有無をまず判断します。
1.0が正常、0.9未満が異常で、重症例では0.5以下のことが多い。
◆超音波や動脈造影:下肢動脈血管の太さや狭窄、閉塞を調べる
◆サーモグラフィー:皮膚表面の温度を調べる
治療
生活習慣の改善(禁煙・下肢の清潔保持等)・生活習慣病(糖尿病・高血圧・高コレステロール血症等)の治療などが基本です。
①食事・運動療法
②薬物療法:抗血小板薬、抗凝固薬、血管拡張薬、血栓溶解剤等
③血管内治療:a)バルーンカテーテルによる拡張術、b)ステント留置術
④バイパス術
⑤足趾や患肢切断術(壊疽例)




