高血圧|神戸市兵庫区|湊川ファミリークリニック|湊川駅徒歩5分の内科・糖尿病内科・消化器内科

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高血圧

高血圧|神戸市兵庫区|湊川ファミリークリニック|湊川駅徒歩5分の内科・糖尿病内科・消化器内科

高血圧とは

血圧が慢性的に高い状態が続く状態です。診察室では少なくとも2回以上の異なる機会で、収縮期血圧(最大血圧)が140mmHg以上、または拡張期血圧(最小血圧)が90mmHg以上の場合を高血圧と診断します。また自宅で測る家庭血圧の場合は、下表のように診察室よりも低い基準が用いられます。

分類 診察室血圧 家庭血圧
収縮期血圧 拡張期血圧 収縮期血圧 拡張期血圧
正常血圧 <120 かつ <80 <115 かつ <75
正常高値血圧 120-129 かつ <80 115-124 かつ <75
高値血圧 130-139 かつ/または 80-89 125-134 かつ/または 75-84
I度高血圧 140-159 かつ/または 90-99 135-144 かつ/または 85-89
II度高血圧 160-179 かつ/または 100-109 145-159 かつ/または 90-99
III度高血圧 ≧180 かつ/または ≧110 ≧160 かつ/または ≧100
(孤立性)収縮期高血圧 ≧140 かつ <90 ≧135 かつ <85

高血圧の分類:本態性高血圧と二次性高血圧

高血圧には、原因のはっきりしない本態性高血圧、他の疾患や薬剤の副作用が原因で起こる二次性高血圧があります。

本態性高血圧とは、原因をひとつに同定することのできない高血圧で、遺伝的素因(体質)や食塩の過剰摂取、肥満など様々な要因が組み合わさって発症します。中年以降にみられ、食生活を中心とした生活習慣の改善が予防・治療に非常に大切です。
二次性高血圧とは、血圧が高くなっている原因疾患が特定できる高血圧です。
若年で発症する高血圧、急速に発症した高血圧、治療抵抗性の高血圧、臓器障害が強い場合、夜間高血圧、低カリウム血症などの電解質異常を伴う高血圧などに二次性高血圧を疑います

本態性高血圧 二次性高血圧
頻度 約9割 10〜15%
年齢 高齢者が多い 若年者に多い
原因 加齢、体質などの遺伝的な要因や、塩分の過剰摂取、肥満、過度の飲酒、運動不足、ストレス、喫煙といった生活習慣など 血圧を上昇させるホルモンの異常や心臓・腎臓・血管の病気、薬剤の副作用など
治療 生活習慣の改善と降圧薬 原因治療

主な二次性高血圧とその基礎疾患

原因 疾患
腎実質性高血圧 糖尿病性腎症、慢性糸球体腎炎、多発性嚢胞腎
腎血管性高血圧 腎動脈狭窄(線維筋性異形成、高安病、腎動脈硬化)
内分泌疾患による高血圧

・原発性アルドステロン症:副腎皮質腺腫、副腎皮質過形成 
・クッシング症候群:副腎皮質腫瘍(腺腫、癌腫、過形成)、下垂体腺腫など
・褐色細胞腫:副腎像質や交感・副交感神経節由来の腫瘍(カテコールアミン過剰産生)

・甲状腺機能異常:甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能亢進症など

薬剤の副作用

ステロイド、非ステロイド性抗炎症薬、乾燥など)として起こる薬剤誘発性高血圧 など

若年発症、肥満体型、治療抵抗性高血圧、重症高血圧(>180/110mmHg)、突然発症、臓器障害(左室肥大、眼底所見異常、神経症状など)などは二次性高血圧を疑わせる所見です。そのため、場合に血液・尿検査、心電図、心エコー、腹部エコーなどを行うときがあります。

 

合併症

血圧が高くなると、動脈と呼ばれる血管に負担がかかります。その結果、全身の合併症が引き起こされやすくなります。

●高血圧性肥大

不全

筋梗塞・狭

出血・梗塞などの脳血管障害

底網膜病変

●高血圧性障害・不全

●閉塞性動脈硬化

 

治療

高血圧の治療には、生活習慣の改善と血圧を下げる飲み薬(降圧剤)による治療があります。高血圧は薬を飲んでいれば必ず良くなるというものではなく、可能な範囲で生活習慣の改善も一緒に行っていくことが大切です。

生活習慣の改善

高血圧症の改善対策は、生活習慣の見直しに尽きます。以下に、10の対策を示します。

①塩分は控えめに

②野菜や果物を豊富に摂取

③コレステロールや飽和脂肪酸を摂り過ぎないように

④お酒を飲み過ぎないように

⑤タバコはやめるように

⑥適度な運動をするように

⑦肥満を解消するように

⑧ストレスを溜めず、充分な睡眠をとるように

⑨急激な温度差に気をつける

⑩便秘にならないように

薬物治療

降圧剤の種類、作用機序、代表薬
作用と代表薬剤
Ca拮抗薬 作 用:カルシウムイオンの血管内への流入、血圧を低下させる
代表薬剤:ノルバスク、アムロジン、ニフェジピン、ヘルベッサーなど
ARB 作 用:アンジオテンシンIIがその受容体への結合を妨げ、血管を広げ、血圧を低下させる
代表薬剤:ミカルディス、ディオバン、ブロプレス、ニューロタン、オルメテックなど
ACE阻害剤 作 用:血管を収縮させたり、腎臓でのナトリウムや水分の排出を押さえて血液量を増やすアンジオテンシンIの産生を抑え、血管を広げて血圧を低下させる
代表薬剤:セリル、ゼストリル、タナトリル、コバシル​​など
利尿薬 作 用:腎臓で、塩分と水分を外に出すことで血圧を低下させる
代表薬剤:ナトリックス、アルダクトン、フルイトラン、ラシックス​​など
β遮断薬 作 用:心臓の交感神経の興奮をおさえ、心臓から出る血液の量を減らし、収縮力を弱めることを介し、血圧を低下させる
代表薬剤:テノーミン、メインテート、ロプレソール、インデラルなど
MR拮抗薬 作 用:腎臓の遠位尿細管および接合集合管のミネラルコルチコイド受容体(MR)に対する作用により血圧を下げる。
代表薬剤:スピロノラクトン、セララ、ケレンディア、ミネブロ
ARNI 作 用:降圧作用や過度な水分貯留の改善作用などがあり、心臓保護作用も期待できる
代表薬剤:エンレスト
α1遮断薬

作 用:血圧を上げる神経の働きを抑えて、血管を広げ、血圧を下げる
代表薬剤:カルデナリン

降圧薬の選び方
  カルシウム拮抗薬 ARB・ACE阻害薬 利尿薬 β遮断薬
左室肥大
心不全
頻脈
狭心症
心筋梗塞後
慢性腎不全 (蛋白尿-)
(蛋白尿+)
脳血管障害慢性期
糖尿病
骨粗鬆症
誤嚥性肺炎
高血圧薬配合剤:その1 Ca拮抗薬+ARB配合錠
製品名 成分1 成分2
カンデサルタン(ブロプレス) アムロジピン

ユニシア

カムシア

LD 8mg 2.5mg
HD 8mg 5mg

エクスフォージ

アムバロ

バルサルタン(ディオバン)

80mg

アムロジピン

5mg

 

テルミサルタン(ミカルディス) アムロジピン

ミカムロ

テラムロ

 

AP 40mg 5mg
BP 80mg 5mg

 

オルメサルタン(オルメテック) アゼルニジピン

レザルタス

 

LD 10mg 8mg
HD 20mg 16mg

 

イルベサルタン(アバプロ) アムロジピン

 

アイミクス

イルアミクス

 

 

LD 100mg 5mg
HD 100mg 10mg

 

アジルサルタン(アジルバ) アムロジピン

ザクラス

 

LD 20mg 2.5mg
HD 20mg 5mg

アテディオ

バルサルタン(ディオバン)

80mg

シルニジピン(アテレック)

10mg

高血圧薬配合剤:その2    ARB+利尿薬配合剤
製品名 成分1 成分2
カンデサルタン(ブロプレス) ヒドロクロロチアジド
エカード LD 4mg 6.25mg
HD 8mg 6.25mg
ロサルタン(ニューロタン) ヒドロクロロチアジド
プレミネント
ロサルヒド
LD 50mg 12.5mg
HD 100mg 12.5mg
バルサルタン(ディオバン) ヒドロクロロチアジド
コディオ
バルヒディオ
MD 80mg 6.25mg
EX 80mg 12.5mg
テルミサルタン(ミカルディス) ヒドロクロロチアジド
ミコンビ

テルチア
AP 40mg 12.5mg
BP 80mg 12.5mg
イルベサルタン(アバプロ) トリクロルメチアジド
イルトラ LD 100mg 1mg
HD 200mg 1mg
高血圧薬配合剤:その3   Ca拮抗薬+ARB利尿薬配合錠
成分1 成分2 成分3
ミカトリオ配合錠 テルミサルタン アムロジピン ヒドロクロロチアジド
80mg 5mg 12.5mg