気血水の考え方について|神戸市兵庫区|湊川ファミリークリニック|湊川駅徒歩5分の内科・糖尿病内科・消化器内科

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気血水の考え方について

気血水の考え方について|神戸市兵庫区|湊川ファミリークリニック|湊川駅徒歩5分の内科・糖尿病内科・消化器内科

気血水の判断

東洋医学では、人のカラダを構成する基本的な要素は気・血・水だと考えています。
エネルギーはカラダの中を流れる血液はカラダの中を流れる血以外の液体をさしています。どれかの成分が不足したり、停滞したり、3つの要素のバランスを崩れたりするとカラダに不調が起きます。気と血は体を温める性質があり、水は体の熱を冷ます性質があります。

気の異常:気虚、気鬱、気逆

「気」は「エネルギー」「元気」みたいな物を指します。気の異常には

  1. 気の量が十分に足りない→「気虚(ききょ)
  2. 気が体内をうまくめぐっていない→「気鬱(きうつ)
  3. 気が逆流して上半身に集まっている→「気逆(きぎゃく)」の3種類があります。

●「気虚」

「エネルギーが足りない」「元気が出せない」状態

・全身倦怠感
・疲れやすい
・食欲がない
・日中眠い

代表的な生薬:人参、黄耆、白朮、茯苓、大棗など

代表的な漢方

◎補中益気湯(41番)
◎四君子湯(75
番)

●「気鬱・気滞」

本来、体を巡っている「気」どこかで滞っている状態

・頭→抑うつ 気分が塞ぐ 頭が重い
・喉→のどのつかえ感や何かがのどにへばりついている感覚
・胸→息苦しい
・胃→げっぷ
・腹→ガス貯留、腹部膨満
・手足→腫れていて痺れる

代表的な生薬:厚朴、紫蘇葉、香附子、半夏など
代表的な漢方

◎半夏厚朴湯(16番)
◎香蘇散(70番)
◎茯苓飲合半夏厚朴湯(116番)
  

●「気逆」

気の巡りは、本来の流れ(体の中心から末端へ、上半身から下半身へ)が逆流した状態。

上衝症状

頭痛、めまい

動悸、胸部不快感

のぼせ、顔面紅潮、ひえのぼせ

消化器症状

吐気、嘔吐

ゲップ、逆流感

みぞおち部の突き上げ感

呼吸器症状

激しい咳

呼吸困難感

喘鳴

代表的な生薬:桂皮、紫蘇葉、呉茱萸湯、黄蓮、半夏、厚朴

代表的な漢方:

苓桂朮甘湯(39番):めまい、動悸、神経症状を伴う気逆に適応
苓桂甘棗湯(K190番):不眠、精神不安を伴う場合に選択
桂枝加竜骨牡蛎湯(26番):虚弱体質で下腹部に腹直筋緊張を認める方

血の異常:瘀血、血虚

「血」は、血液そのものより、血液の働きも含めたもっと広い意味も持っている。血の異常には、

  1. 血の量が十分に足りない→「血虚(けっきょ)
  2. 血が体をうまくめぐっていない→「瘀血(おけつ)」の2種類があります。

●瘀血:血の巡りが悪い

・唇や歯茎や舌が赤紫や黒っぽい
・毛細血管が浮き出ている
・目の下にクマがある
・皮下出血(青あざ)
・舌の裏側の血管がどす黒く浮き出ている。
・おへその2本指分斜め下の圧痛(臍傍圧痛)

◎イライラ
◎不安
◎生理痛が強い
◎手足の冷え
◎肩こり
◎皮膚のツヤがなくなる、
◎ニキビ
◎クマ
◎シミ
◎そばかすができやすい

原因:運動不足、過食、肉食、ストレスなど

代表的な生薬牡丹皮(ボタンピ)、桃仁(トウニン)、芍薬(シャクヤク)、当帰(トウキ)、川芎(センキュウ)

代表的な漢方:

桃核承気湯(61番): 便秘、のぼせ、不眠、不安、興奮などの症状に。  
桂枝茯苓丸(25番): 月経不順、更年期障害、婦人科疾患、皮膚疾患、循環器疾患、ストレス性疾患などに。  
通導散(105番): 便通の改善や不安、いらだちなどの精神神経症状に。
当帰芍薬散(23番)→血の巡りを良くして、体を温めます。
加味逍遙散(24番)→気を下に降ろして、熱を冷まします。自律神経も整えます。
桂枝茯苓丸料加薏苡仁(125番)→血の巡りを良くし、肌のターンオーバーを活性化させます。

●血虚

代表的な症状:

皮膚が乾燥したり、抜け毛、爪が割れやすい、こむら返りなんかの症状が起こります。
集中力がない、ぼーっとする 眠れないなんかの精神症状もあります。

代表的な生薬:当帰、川芎、芍薬、地黄

代表的な漢方:

四物湯(71番): 体力虚弱で冷え症の体質に。  
当帰芍薬散(23番): 冷え性や貧血の方、頭重やめまい、耳鳴りのほか、肩こりや頭痛などの不調にも。  
当帰飲子(86番): 血と気を補う生薬が含まれ、冷え性や皮膚の乾燥、湿疹や皮膚炎などの乾燥肌に。  
七物降下湯(46番): 血と気の巡りを整えることで寒熱のバランスを改善し、のぼせや血圧上昇を抑えます。  
十全大補湯(48番):→気を補う「四君子湯」+血を補う「四物湯」の両方の成分を持つ。
人参養栄湯(108番)→体力と気を補います。

「水」の異常:「水毒・水滞」「津虚」

水の異常には、

  1. 水が体をうまくめぐっていない→「水毒(すいどく)
  2. 体内の津液(潤い)が不足している状態「津虚」の2種類があります。津液は、血液以外の体液で、皮膚や粘膜、内臓を潤し、からだを冷やす働きがあります。

●「水毒、水滞」

代表的な症状:

・むくみ、腫れ
・胸水、腹水、関節液などが溜まる
・心窩部チャプチャプ
・めまい、耳鳴り、立ちくらみ
・気候や天気で悪化する頭痛

代表的な生薬沢瀉、茯苓、蒼朮、猪苓

代表的な漢方:
五苓散(17番):頭痛や下痢に
猪苓湯(40番):排尿痛や下痢に
真武湯(30番):冷えや倦怠感、むくみなどに
越婢加朮湯(28番 )

:関節痛や水疱湿疹

  1. はれや熱感のある、関節炎、関節リウマチなどの痛み
  2. はれや熱感のある、急性のアレルギー性症状(花粉症、湿疹)
  3. 汗・口渇・尿量減少をともなう全身性の浮腫(腎炎、ネフローゼ)

防已黄耆湯(20番 ):水太り+膝の関節痛に

●「津虚

津虚(しんきょ)は、体内の正常な水液(津液)が不足した状態。滋陰剤や利水剤を使用することが推奨されます。

原因:過労、睡眠不足、加齢、乾燥した環境、ストレスなど

代表的な症状:

・喉・口の乾き
・肌・唇・鼻の乾燥
・便秘・尿量の減少
・目の乾き・疲れ
・乾いた咳・声のかすれ
・ほてり・寝汗・微熱
・食欲不振・胃の不快感
・関節のポキポキ音・動きづらさ

代表的な生薬麦門冬、天門冬、地黄、人参、五味子など

代表的な漢方:

麦門冬湯(29番):空咳、気管支炎、気管支喘息、咽頭炎、嗄声など幅広い呼吸器症状に適応。
滋陰降火湯(93番):麦門冬湯よりも潤す生薬が多く入っており、特に夕方から夜にかけて出現する咳、就寝時や夜間に悪化する咳、温まると増悪する咳嗽、皮膚粘膜の乾燥を伴う場合に適応。

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