筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)|神戸市兵庫区|湊川ファミリークリニック|湊川駅徒歩5分の内科・糖尿病内科・消化器内科

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筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)

筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)|神戸市兵庫区|湊川ファミリークリニック|湊川駅徒歩5分の内科・糖尿病内科・消化器内科

目次

筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)総説

総合内科 × 自律神経 × アンチエイジング医学の視点から

「疲れが取れない」 「微熱が続く」 「頭が働かない」 「立っているとつらい」。こうした症状が長期間続くと、生活・仕事・学業・家事のすべてが重くのしかかります。 しかし、検査では異常が見つからず、

  • ・「どこを受診すればいいかわからない」
  • ・「気のせいと言われた」
  • ・「ストレスのせいと言われた」

と悩む方が少なくありません。この「疲れ」は、あなたのせいではありません。その背景にある可能性のひとつが、 筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFSMyalgic Encephalomyelitis / Chronic Fatigue Syndromeです。これは、医学的に認められた身体疾患であり、決して「怠け」や「気のせい」ではありません。

ME/CFSとは休息しても回復しない“深い疲労の病気

ME/CFSは、 強い倦怠感が6か月以上続き、休息しても回復しない身体疾患です。

中核症状(必須)

  1. 強い倦怠感(慢性疲労)
  2. 労作後疲労増悪(PEM) → 軽い家事・会話・通勤でも翌日に寝込む
  3. 非回復性睡眠(寝ても疲れが取れない)

追加症状(どちらか1つ以上)

  1. 認知機能障害(ブレインフォグ)
  2. 起立不耐症(起立性調節障害)

その他の症状

  1. 微熱・悪寒
  2. 咽頭痛
  3. リンパ節痛
  4. 関節痛・筋肉痛
  5. 消化器症状(腹痛・下痢・便秘)
  6. 音・光・刺激への過敏

症状は日内変動・日差変動が大きく、 「昨日できたことが今日はできない」という状態が続きます。

病因・病態なぜ起こるのか(最新研究を統合)

ME/CFSは単一の原因では説明できず、 免疫・自律神経・脳・代謝の複合的な異常が重なって発症すると考えられています。

感染症後の免疫変調(最も有力)

  • ・EBウイルス(伝染性単核球症)
  • ・インフルエンザ
  • ・COVID-19
  • ・帯状疱疹
  • ・SARS などの感染後に発症する例が多い。

研究では:

  • ・サイトカイン異常
  • ・自己抗体の関与
  • ・潜伏ウイルスの再活性化
  • ・慢性炎症の持続

などが示唆されています。

自律神経系の障害(起立性調節障害との重なり)

起立時の血圧・脈拍調整がうまく働かず、

  • ・めまい
  • ・動悸
  • ・起立性頻脈
  • ・立っていられない

などの症状が出ます。

ME/CFSの診断基準には「起立不耐症」が含まれています。 つまり、ME/CFS「大人の起立性調節障害(OD)」として現れることがある のです。

脳内炎症(神経免疫の異常)

PET研究では、脳内の微小炎症が示唆されており、

  • ・ブレインフォグ
  • ・倦怠感
  • ・過敏性

などの原因と考えられています。

ミトコンドリア機能低下(アンチエイジング医学の視点)

細胞のエネルギー産生(ATP)が低下し、 「体の電池が切れたような疲労」が説明されます。

アンチエイジング医学では:

  • ・ミトコンドリア機能
  • ・栄養
  • ・抗酸化ストレス
  • ・ホルモンバランス

などの視点が、ME/CFSの理解と相性が良いとされています。

診断 ― どのように進めるのか(日本版2017年案を含む)

ME/CFSの診断には3つの中核症状の全てと、2つの追加症状のうちの少なくとも1つを満たすことが必要であるとされています。

【必須項目(3つすべて)

  1. 強い疲労
  2. 労作後倦怠感
  3. 非回復性睡眠

【追加項目(どちらか1つ)】

  • ・認知機能障害
  • ・起立不耐症

鑑別が重要(除外診断)

  • ・甲状腺疾患
  • ・貧血
  • ・膠原病
  • ・うつ病
  • ・睡眠時無呼吸症候群
  • ・心疾患
  • ・ロングCOVID後の器質的疾患

必要に応じて行う検査(厚労省研究班 2017年案)

  • ・血液検査
  • ・甲状腺機能
  • ・自律神経検査(Tilt試験)
  • ・心電図
  • ・尿検査
  • ・必要に応じて画像検査

ME/CFSに特異的な検査は存在しないため、 丁寧な問診と鑑別が診断の中心となります。

治療とサポート ― 改善は可能です

ME/CFSの治療は、現時点では対症療法が中心です。 原因の一部は解明されつつありますが、根本治療はまだ研究段階です。

ただし、症状を軽減し、生活の質を改善する方法は多数あります。 保険診療でできる治療を中心にまとめます。

ペーシング(活動量の調整)

最も重要な治療です。 「エネルギーの銀行管理」と呼ばれ、 無理を避けることでPEMを減らします。

自律神経の調整(OD治療)

  • ・水分・塩分
  • ・生活リズム
  • ・体位変換
  • ・起立性不耐症への対応

ODの改善は、ME/CFSの症状軽減に直結します。

睡眠の質の改善

非回復性睡眠は中核症状であり、 生活習慣の調整や必要に応じた治療を行います。

痛み・頭痛・消化器症状への対処

症状ごとに適切な治療を行います。

⑤ 統合医学・アンチエイジング医学の応用

  • ・ミトコンドリア機能
  • ・抗酸化ストレス療法
  • ・栄養
  • ・炎症
  • ・ホルモンバランス

これらの視点は、ME/CFSの病態理解と相性が良く、 症状改善のヒントになります。

⑤ -1. 漢方薬による治療(保険適用)

漢方医学では、慢性疲労を以下のように捉えます:

  • ・気虚(エネルギー不足)
  • ・血虚(栄養不足)
  • ・脾虚(消化機能の低下)

症状・体質に応じて処方を選びます。

  • ・【気を補う】補中益気湯
  • ・【血を補う】四物湯、加味帰脾湯
  • ・【気・血を補う】十全大補湯、人参養栄湯

漢方は、疲労・自律神経症状・睡眠・消化器症状の改善に役立つことがあります。

-2. ビタミン剤・食事による治療

食事療法には、以下のポイントが重要です。
・ビタミンB群: 細胞の代謝に必要な補酵素であり、不足すると疲労感が増す。  
・ビタミンC: 酸化ストレスを減少させ、疲労を改善する。  マグネシウム: タンパク質合成や神経伝導に関与し、持続的な疲労を誘発する。  
・マグネシウム: タンパク質合成や神経伝導に関与し、持続的な疲労を誘発する。  1
・タンパク質: 筋肉や骨、皮膚などの体の組織を作るだけでなく、エネルギー源や免疫力を高める役割も。  
・抗酸化作用のある食品: 緑黄色野菜、果物、豆類、ナッツ類などに多く含まれ、疲労回復に効果的。  
これらの栄養素をバランスよく摂取し、適度な運動と睡眠を組み合わせることで、慢性疲労症候群の改善が期待できます。食事療法で補給困難な場合、市販やクリニック専売のサプリや注射などを検討する。「にんにく注射」や「マルチビタミン点滴」は疲労回復に有効であることはよく知られています。

-3. 抗不安薬・抗うつ薬(必要時に保険適用)

不安、緊張、抑うつ、意欲低下などの精神症状疲労をさらに悪化させるため、必要に応じて薬物療法を行います。不安・緊張・自律神経症状(めまい・吐き気・頭痛)に対し抗不安薬、抑うつ、意欲低下・趣味喪失に対し 抗うつ薬などは検討します。精神症状が改善すると、疲労感が軽減することがよくあります。

4. 生活習慣の調整(最も重要)

薬で症状がある程度落ち着いたら、 生活習慣を整えることが治療の中心になります。具体的なを設定したらいかがでしょうか?

  • ・毎朝〇時に起きる
  • ・3食を規則正しくとる
  • ・間食を控える
  • ・毎日〇分の散歩
  • ・〇時までに就寝

生活日記をつけると、モチベーション維持に役立ちます。

5. ペーシング(活動量の調整)

PEMを防ぐための最重要の治療です。

  • ・無理をしない
  • ・疲労のサインを見逃さない
  • ・活動量を細かく調整する

「エネルギーの銀行管理」と呼ばれます。

6. 自律神経の調整(起立性調節障害の治療)
  • ・水分・塩分
  • ・生活リズム
  • ・体位変換
  • ・起立性不耐症への対応

ODの改善は、ME/CFSの症状軽減に直結します。

当院で診療を受けるメリット

  • ・総合内科として幅広い鑑別が可能
  • ・丁寧な問診と生活支援を重視
  • ・起立性調節障害の診療にも対応
  • ・ロングCOVID後の慢性疲労にも対応
  • ・保険診療でできる治療を中心に、無理のない治療計画を提案
  • ・アンチエイジング医学の知見を活かした総合的アプローチ

📣 最後に:疲労は気のせいではありません

ME/CFSは、 医学的に認められた身体疾患です。

長く続く疲労や体調不良に悩んでいる方は、 どうか一人で抱え込まず、医療機関に相談してください。

当院では、あなたの症状に寄り添いながら、 最適なサポートを一緒に考えていきます。