
ダイエットで大切なのは、単に体重を減らすことではありません。極端な食事制限によって体重が減少しても、体脂肪だけでなく筋肉まで減ってしまうことがあります。筋肉量や筋力が低下すると、疲れやすくなったり、身体機能が低下したり、リバウンドしやすくなったりする可能性があります。
健康的なダイエットの基本は、筋肉をできるだけ維持しながら、余分な体脂肪を減らすことです。そのためには、①食事、②運動、③体組成管理の3つが重要です。
1. 食事のポイント
①たんぱく質を毎食摂取する
筋肉を維持するためには、十分なたんぱく質が必要です。
肉・魚・卵・大豆製品・乳製品などを、毎日の食事にバランスよく取り入れましょう。
特にダイエット中は食事量が減ることで、たんぱく質が不足しやすくなります。
ただし、腎機能が低下している方などは、たんぱく質摂取量の個別調整が必要です。
②主食は適量を摂取する
ご飯・パン・麺類などの主食を完全に抜く必要はありません。
糖質は体を動かすための重要なエネルギー源です。
主食を極端に制限するのではなく、食べる量を調整し、玄米・雑穀米・全粒粉パンなども上手に取り入れましょう。
③野菜・きのこ・海藻を十分に摂取する
野菜・きのこ・海藻には、食物繊維、ビタミン、ミネラルなどが含まれています。
食物繊維は食後血糖の急激な上昇を抑えることや、便通の改善にも役立ちます。
毎食、野菜を取り入れる習慣をつけましょう。
④脂質は量だけでなく質にも注意する
脂質は体に必要な栄養素ですが、摂りすぎるとエネルギー過剰につながります。
揚げ物や脂身の多い肉などを食べすぎないようにし、魚、ナッツ、オリーブオイルなどに含まれる不飽和脂肪酸も適量取り入れましょう。
⑤よく噛んで、ゆっくり食べる
早食いは食べすぎにつながりやすくなります。
よく噛み、食事に時間をかけることで、満腹感を得やすくなります。
スマートフォンやテレビを見ながらの「ながら食べ」にも注意しましょう。
2. 運動のポイント
①筋力トレーニングを週2〜3回行う
減量中に筋肉量や筋力を維持するためには、筋力トレーニングが重要です。
特に大きな筋肉がある太もも・お尻・背中などを意識して鍛えましょう。
おすすめの運動は次のとおりです。
- スクワット:太もも・お尻
- 腕立て伏せ:胸・腕
- ダンベル運動:腕・肩など
- 椅子からの立ち座り:下半身
最初は無理のない回数から始め、徐々に運動量を増やしましょう。
②有酸素運動を週3〜5回程度行う
有酸素運動はエネルギー消費を増やし、体脂肪の減少や心肺機能の改善に役立ちます。
ウォーキング、ジョギング、自転車、水泳などがおすすめです。
運動習慣がない方は、まず短時間のウォーキングから始め、徐々に時間や回数を増やしましょう。
筋力トレーニングと有酸素運動を組み合わせることが効果的です。
③日常生活でも体を動かす
運動する時間だけでなく、普段の活動量を増やすことも重要です。
エレベーターより階段を使う、近い距離は歩く、家事を積極的に行う、長時間座り続けないなど、日常生活の中で体を動かす機会を増やしましょう。
3. 体組成管理のポイント
①体重だけで判断しない
ダイエット中は体重の変化に注目しがちですが、体重が減ったからといって、必ずしも体脂肪が減っているとは限りません。
体脂肪だけでなく筋肉も減少している場合があります。
反対に、体重があまり変わらなくても、筋肉を維持しながら体脂肪が減っている場合は、体組成が改善している可能性があります。
②体脂肪率・筋肉量を定期的に確認する
InBodyなどの体組成測定では、体重だけでなく、体脂肪率や推定筋肉量などを確認できます。
定期的に測定することで、減量中に筋肉量が大きく減少していないかを確認する参考になります。
ただし、体組成測定は水分状態や測定条件によって結果が変動するため、できるだけ同じ条件で測定することが大切です。
③腹囲もチェックする
内臓脂肪の蓄積は、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病と関係しています。
体重やBMIだけでなく、腹囲の変化も確認しましょう。
④筋力や身体機能も確認する
筋肉量だけでなく、筋力や身体機能も重要です。
握力、歩行速度、椅子からの立ち上がりなどは、筋力や身体機能を評価する際の参考になります。
特に高齢者では、筋肉量の低下とともに筋力が落ちていないか注意が必要です。
4. その他の大切な生活習慣
・十分な睡眠
睡眠不足は食欲の調節や生活リズムに影響することがあります。規則正しい睡眠習慣を心がけましょう。
・禁煙
喫煙は心血管疾患や呼吸器疾患などのリスクを高めます。健康的な体重管理とともに禁煙も重要です。
・節酒
アルコールの飲みすぎはエネルギー過剰や睡眠の質の低下につながります。飲酒量を見直しましょう。
・ストレス管理
ストレスによって過食や睡眠不足が起こる場合があります。適度な休息や気分転換を取り入れましょう。
5. 肥満治療薬を使用する場合も筋肉の維持が重要です
マンジャロやゼップバウンドなどの薬剤によって体重が減少する場合も、体脂肪だけでなく除脂肪量が減少することがあります。
特に食欲が大きく低下している場合は、必要なエネルギーやたんぱく質が不足しないよう注意が必要です。
薬物療法中も、適切な食事、筋力トレーニング、体組成の確認を組み合わせることが大切です。
6. 当院での体重管理について
湊川ファミリークリニックでは、体重・BMI・腹囲などに加え、InBodyによる体組成測定などを活用し、患者さんの体脂肪や筋肉量の変化を確認しながら体重管理をサポートしています。
体重の数字だけにとらわれず、食事・運動・生活習慣を総合的に見直すことが重要です。
健康的なダイエットは、筋肉を守りながら余分な体脂肪を減らすことが基本です。




