高齢者や腎機能障害患者では、血液検査結果CrやeGFRを指標に薬剤の投与量を減量するか投与間隔を延長することが基本です。
| 薬剤分類 | 代表薬 | 調整の主なトリガー | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 抗凝固薬(DOAC) | ダビガトラン、エドキサバン、リバーロキサバン、アピキサバン | CCrに応じて減量または禁忌 | 重度腎障害は禁忌の薬剤あり |
| 糖尿病薬 | メトホルミン | eGFR・CCr低下で減量〜禁忌 | 重度腎障害(eGFR<30)は禁忌 |
| 抗ウイルス薬 | バラシクロビル、アシクロビル | CCrに応じて細かく減量 | 神経症状(意識障害)に注意 |
| 抗菌薬 | セフェム系、キノロン系、バンコマイシン | CCrで用量・間隔を調整 | バンコマイシンはTDM必須 |
| H2受容体拮抗薬 | ファモチジン | CCrで減量 | 高用量で意識障害のリスク |
| 抗てんかん薬 | ガバペンチン、プレガバリン | CCrで細かく減量 | めまい・眠気の悪化に注意 |
| SGLT2阻害薬 | エンパグリフロジン、ダパグリフロジン等 | eGFRに下限設定あり | 用量調整というより「使用可否」 |
メトホルミン
|
GFR |
目安量 |
| 60≦eGFR<90 | 2,250mg |
| 45≦eGFR<60 | 1,500mg |
| 30≦eGFR<45 | 750mg |
直接経口抗凝固薬(DOAC)
1.腎機能に応じ用量調整
|
イグザレルト (リバーロキサバン) |
エリキュース (アピキサバン) |
リクシアナ (エドキサバン) |
|
| 用法 | 1回/日(必ず食後) | 2回/日 | 1回/日 |
| 常用量 | 15mg×1 | 5mg×2 | 60mg×1 |
| 減量用量 | 10mg×1 | 2.5mg×2 | 30mg×1 |
| 減量基準 | ・腎機能(CCr15-49) | ・年齢:80歳以上 ・体重:60kg以下 ・血清Cr:1.5mg/dL以上 ※2つ以上該当で減量 |
・腎機能(CCr15-50) ・体重(60kg以下) |
| 服用注意 | 食後必須 P-gp阻害薬注意※ |
2/3ルール | P-gp阻害薬注意※ 15mg規格あり |
2.心房細動(AF)と深部静脈血栓症・肺塞栓症などの静脈血栓塞栓症(VTE)で用量が違うDOACがある
■イグザレルト: VTE治療の初期の3週間は「15mgを1日2回」→4w目~15mgを1日1回に減量。
■エリキュース: VTE治療の初期の7日間は「10mgを1日2回」→8日目~5mgを1日2回に減量。
3.DOAC同士の変更
■体重減少(60kg以下)や高齢者の出血リスクに配慮:イグザレルト → リクシアナ
■1日2回の飲み忘れが多い:エリキュース → イグザレルト/リクシアナ
■機械弁の適応、中等度以上の僧帽弁狭窄症の発覚、重度の腎機能障害への進行、費用:DOAC →ワルファリン
4.「P-gp阻害薬注意」
※P糖タンパク質(P-glycoprotein, P-gp)は、ATP依存性の膜輸送タンパク質であり、細胞膜を通じて薬物や異物を細胞外へ排出する働きを有する。多剤耐性タンパク質(MDR1)とも呼ばれ、薬物の吸収、分布、排出に重要な役割を果たしている。そのの代表的な基質、阻害薬、誘導薬を以下に示します。
■基質:ジゴキシン、DOAC、パクリタキセル、ドセタキセルなど
■阻害薬:イトラコナゾール、エリスロマイシン、ベラパミルなど→基質薬剤の血中濃度上昇
■誘導薬:リファンピシン、カルバマゼピン、セントジョーンズワートなど




