睡眠時無呼吸症候群(SAS)|神戸市兵庫区|湊川ファミリークリニック|湊川駅徒歩5分の内科・糖尿病内科・消化器内科

〒652-0047 兵庫県神戸市兵庫区下沢通3-1-25 グロウメディカルビル5F
078-945-8996
WEB予約 クロンスマートパス
ヘッダー画像

睡眠時無呼吸症候群(SAS)

睡眠時無呼吸症候群(SAS)|神戸市兵庫区|湊川ファミリークリニック|湊川駅徒歩5分の内科・糖尿病内科・消化器内科

「いびきが大きいと言われる」「寝ている間に呼吸が止まっていると指摘された」「十分に寝ても疲れが取れない」。このような症状がある方は、睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)の可能性があります。睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が繰り返し止まったり、浅くなったりする病気です。睡眠の質が低下するだけでなく、高血圧、心臓病、脳卒中、糖尿病などの生活習慣病とも深く関係しています。自覚症状が少ない場合もあるため、早期発見と適切な治療が大切です。

1.睡眠時無呼吸症候群とは?

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に無呼吸や低呼吸を繰り返すことによって、睡眠の質や日常生活、健康に悪影響を及ぼす病気です。一般に、10秒以上呼吸が停止した状態を「無呼吸」と呼びます。睡眠時無呼吸には主に次の種類があります。

①閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)

睡眠中に舌や喉の周囲の筋肉が緩み、空気の通り道である上気道が狭くなったり、塞がったりすることで起こります。最も多いタイプで、肥満、首周りの脂肪、顎の形状、扁桃肥大などが関係します。

②中枢性睡眠時無呼吸(CSA)

脳から呼吸筋への呼吸指令が一時的に低下することで起こります。心不全などの病気に伴う場合もあり、閉塞性睡眠時無呼吸とは治療方法が異なることがあります。

2.SASの主な症状

①睡眠中の症状
  • ・大きないびきをかく
  • ・寝ている間に呼吸が止まる
  • ・呼吸が再開するときに大きく息を吸う
  • ・息苦しくて目が覚める
  • ・夜中に何度も目が覚める
  • ・夜間の尿の回数が多い
②起床時の症状
  • ・朝起きても疲れが取れない
  • ・起床時に頭痛がある
  • ・口が渇いている
  • ・熟睡した感じがしない
③日中の症状
  • ・強い眠気がある
  • ・集中力や記憶力が低下する
  • ・仕事中や会議中に眠くなる
  • ・運転中に眠気を感じる
  • ・疲労感や倦怠感が続く

※睡眠時無呼吸症候群でも、日中の眠気をほとんど感じない方がいます。

3.SASの主な原因

  • ・肥満・内臓脂肪の増加
  • ・顎が小さい・下顎が後退している
  • ・扁桃肥大・鼻づまり
  • ・加齢
  • ・飲酒・睡眠薬などの影響

4.放置すると起こりやすい病気・健康リスク

睡眠時無呼吸症候群では、睡眠中の低酸素状態や睡眠の分断が繰り返されます。その結果、交感神経の活性化や血圧上昇などが起こり、さまざまな病気との関連が指摘されています。

  • ・高血圧
  • ・心血管疾患
  • ・脳卒中
  • ・糖尿病・インスリン抵抗性
  • ・交通事故・労働災害

5.検査方法

検査は主に、簡易睡眠検査と終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)があります。

**PSG(終夜睡眠ポリグラフ検査)**は、睡眠中の脳波や呼吸、心拍などを詳しく調べる精密検査です。睡眠時無呼吸症候群の確定診断や重症度判定、ほかの睡眠障害の評価が可能です。

簡易睡眠検査は自宅で手軽に呼吸と酸素飽和度を測定するスクリーニング検査、PSG検査は脳波や睡眠段階まで含めて精密に評価する確定診断用の検査です。

①簡易睡眠検査

簡易睡眠検査は、自宅で行える負担の少ない検査です。睡眠中の呼吸状態や酸素濃度を調べ、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性を評価します。主に呼吸の状態・鼻や口の気流・血液中の酸素飽和度・呼吸運動などを評価します。

普段の睡眠環境で検査できることが特徴です。ただし、簡易検査だけでは病状を十分に評価できない場合があります。

②終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)

 睡眠中の脳波や呼吸、心拍などを詳しく調べる精密検査です。睡眠時無呼吸症候群の確定診断や重症度判定、ほかの睡眠障害の評価が可能です。簡易検査で診断が確定しない場合や、ほかの睡眠障害が疑われる場合などに検討します。

簡易検査 在宅PSG
内容 呼吸、いびき、酸素飽和度などを測定 呼吸、脳波、眼球運動、筋電図、心電図、酸素飽和度、睡眠段階などを総合的に測定
睡眠評価 できない できる
精度 スクリーニング向き 精度が高い
意義 主にSASの有無・重症度推定 SASの確定診断、睡眠の質や他の睡眠障害の評価
費用 3割負担約3000円 3割負担約7000円
用途 初期検査 簡易検査で診断が難しい場合や精密評価が必要な場合

6.重症度の分類

睡眠時無呼吸症候群の重症度は、睡眠1時間あたりの無呼吸と低呼吸の回数を表す「AHI(無呼吸低呼吸指数)」などで評価します。

AHI 重症度
5未満 正常範囲
5以上15未満 軽症
15以上30未満 中等症
30以上 重症

※この分類は主に成人の閉塞性睡眠時無呼吸に用いられます。簡易検査で得られる指標は、PSGによるAHIと異なることがあり、検査方法や症状を含めて判断します。

7.治療方法

①CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)

CPAP療法は、睡眠中に鼻などに装着したマスクから空気を送り、気道が塞がることを防ぐ治療です。中等症から重症の閉塞性睡眠時無呼吸症候群などで、重要な治療方法となります。期待できる効果には、無呼吸やいびきの軽減、日中の眠気や睡眠の質の改善などがあります。高血圧を合併している方では、血圧改善が得られる場合もあります。治療効果を維持するためには、継続的な使用が重要です。

近年の研究で、AHI 15〜20の方でも高血圧・心血管イベント・脳卒中のリスクが明確に上昇することが示されたこと、また治療によって生活の質や合併症リスクが改善することが繰り返し報告されたことが、2026年6月から基準変更となりました。

検査方法 従来の基準 新基準(2026/6~)
簡易検査 40回/時間以上 30回/時間以上
PSG検査 20回/時間以上 15回/時間以上

2026年診療報酬改定後、SAS診療はどう変わった?CPAP・PSGの実務FAQ

②マウスピース(口腔内装置)

睡眠中に下顎を前方に保持し、気道を広げる装置です。軽症から中等症の患者さんや、CPAPが使用できない方などで検討されます。適応を判断したうえで、歯科医療機関と連携して作製します。

③減量・生活習慣の改善

肥満を伴う場合、減量によって無呼吸が改善することがあります。適切な食事管理、運動、禁煙、節酒などが重要です。ただし、痩せている方でも睡眠時無呼吸症候群は起こるため、減量だけで解決するとは限りません。

④寝る姿勢の工夫

仰向けで無呼吸が悪化する方では、横向きで寝ることが有効な場合があります。

⑤外科的治療など

扁桃肥大や顎顔面の構造などが原因となっている場合は、耳鼻咽喉科などで外科的治療を検討することがあります。

8.こんな方は検査をおすすめします

  • ・家族から大きないびきや無呼吸を指摘された方
  • ・日中の眠気が強い方
  • ・十分に寝ても疲れが取れない方
  • ・肥満や首周りの脂肪が多い方
  • ・高血圧、特に治療抵抗性高血圧がある方
  • ・心房細動や心不全などの心疾患がある方
  • ・夜間に何度も目が覚める方
  • ・朝の頭痛や口の渇きが続く方

強い眠気がある場合は、診断・治療が進むまで自動車の運転や危険な機械の操作を避けてください。

9.当院での睡眠時無呼吸症候群の診療

睡眠時無呼吸症候群は、適切な診断と治療によって症状の改善が期待できる病気です。湊川ファミリークリニックでは、いびき、睡眠中の無呼吸、日中の眠気などの症状についてご相談いただけます。症状や生活習慣、肥満、高血圧、糖尿病などの合併症を総合的に確認し、必要な検査(簡易睡眠検査や終夜睡眠ポリグラフ検査PSG)や治療(減量・生活習慣の改善、口腔内装置、CPAPやゼップバンドの適応)についてご案内します。「いびきが大きい」「寝ている間に呼吸が止まっている」「日中の眠気が強い」など、気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。

当院のSAS外来の流れは以下の通りです。

  1. 外来受診・問診:症状(いびき・無呼吸・日中の眠気)、合併症、家族からの指摘を確認
  2. 検査会社連携、簡易検査の予約
  3. 自宅で機器の受け取り、自宅で一晩装着
  4. 郵送にて機器返却
  5. 結果説明(郵送から2週間後):AHIと重症度を提示

    ✅AHI 15〜29 → 必要に応じて在宅PSG or 食事・運動療法を指導し、3~6ヶ月毎の受診.

    ✅AHI 30以上 → ①食事・運動療法の指導;②高度専門医療機関との連携;③当院にてCPAP導入(業者さんに連絡し、機器説明・マスクフィッティング)

  6. CPAP月1回の定期通院でデータ確認・調整

10. 高度専門医療機関との連携の理由

ゼップバウンドの保険適用対象は、BMI 27kg/m²以上の中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者です。原則として3か月以上の食事・運動療法を行っても十分な減量効果が得られない患者に対し、管理栄養士を含む専門施設で、睡眠時無呼吸症候群診療経験を有する専門医の管理下で使用します。CPAPの代替ではなく、肥満改善を通じて睡眠時無呼吸の改善を目指す治療です。

2026年5月に、**ゼップバウンド®(チルゼパチド)は日本で「中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)」**への適応が追加されました。保険診療で使用するためには、厚生労働省の「最適使用推進ガイドライン」を満たす必要があります。

① 患者要件
  • ✅ BMI :27以上
  • ✅ OSA:中等症以上
  • ✅ 重症度:PSGでAHI≧15 もしくは簡易検査でAHI≧30
  • ✅ 生活習慣介入: 食事療法・運動療法を3か月以上実施しても十分な減量効果が得られない 
  • ✅栄養指導:  管理栄養士による指導を受ける

ただし、肥満低換気症候群や心不全などで早期減量が必要な場合は3か月待たず導入可能

② 施設要件

✅標榜科:内科、呼吸器内科、循環器内科、耳鼻咽喉科のいずれか
✅専門医:呼吸器、循環器、耳鼻咽喉科、内分泌、糖尿病の専門医が関与
✅教育施設:関連学会の教育研修施設
✅栄養管理:常勤管理栄養士がいる
✅フォロー体制:副作用対応が可能

③ 医師要件

✅臨床経験:SAS診療経験5年以上
✅経験年数:医師免許取得後7年以上相当
✅専門資格:呼吸器専門医、循環器専門医、耳鼻咽喉科専門医、糖尿病専門医、内分泌専門医など

④ 投与期間

OSA適応でのゼップバウンドは、「52週以内に投与終了する治療計画」を作成することが求められています。

⑤ ゼップバンドの適応とCPAPの関係
  • ✅CPAPの代替薬ではない
  • ✅CPAP使用中でも使用可能
  • ✅肥満改善によってAHI改善を目指す薬

11. 転院を希望している方

✅毎月の通院が負担になっている
✅仕事が忙しく、通院の時間を取りにくい
✅遠方から通院している
✅出張が多く、決まった日に通えない
✅CPAPが使いにくい・使用時間が短い
✅日曜日しか受診できない

当院は日曜日も診療しており、2回目からオンライン診療も可能です。定期通院困難な方ぜひ気軽にご相談してください。

12. CPAP治療の効果はどのように確認するのですか?

CPAP治療は、機械を使っているだけでは十分ではありません。治療がしっかり効果を発揮しているかを定期的に確認することが大切です。主に次の3つを確認しています。

① しっかり使えているか
CPAPは毎日、就寝中を通して使用することが重要です。

✅毎日使えているか
✅睡眠中どのくらいの時間使用できているか
を確認し、無理なく続けられるようサポートします。

② 無呼吸が改善しているか
CPAPには治療データが記録されています。

✅睡眠中の無呼吸が減っているか
✅適切な圧力で治療できているか
✅マスクから空気漏れがないか
などを確認し、必要に応じて設定やマスクを調整します。

③ 症状が良くなっているか
検査データだけでなく、患者さん自身の体調変化も大切な評価項目です。次のような症状の改善が期待できます。

✅日中の眠気が減った
✅朝すっきり起きられるようになった
✅いびきが減った
✅夜中に目が覚めにくくなった
✅夜間のトイレの回数が減った
✅集中力が向上した